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被団協の「顔」に田中熙巳さん 代表委員へ7日に決定、核廃絶へ活動

6/7(水) 10:30配信

埼玉新聞

 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表理事会が、新たな代表委員に事務局長を退任する意向を表明した田中熙巳さん(85)=埼玉県新座市=を推薦することが6日、関係者への取材で分かった。7日に開かれる定例総会の評議を経て、正式に決定する見通し。3人いる代表委員は、被爆者の代表として、国内外の会議や催しに参加するなど、被団協の「顔」となる。代表委員の一人、岩佐幹三さん(88)は高齢や世代交代を理由に退任の意向を明らかにした。

 関係者によると、被団協の代表理事会は5日、岩佐さんの後任の代表委員に田中さんを推薦することを決定。田中さんの事務局長としての実績と信頼が推薦の理由という。

 被爆者の平均年齢が80歳を超え、高齢化が進んでいる。田中さんは組織の要となる事務局長として長く活動してきたが、高齢や世代交代を理由に退任の意向を表明。「被爆者の一人として、これからも核廃絶に向けて活動していく」と話していた。

 1945年8月9日、田中さんは13歳のとき、長崎の爆心地から約3・2キロの自宅で被爆。命は助かったものの、親族5人を亡くした。慕っていた伯母を自ら荼毘(だび)に付した。

 戦後は東北大工学部で研究に励みながら被爆者運動に携わった。85年に被団協の事務局長に就いて一度退くが、2000年に再度、就任した。在任中は被爆者支援や実相活動に奔走し、原爆症認定の対象拡大にも尽力。核拡散防止条約(NPT)再検討会議では各国の代表に核廃絶を訴えるなど、被爆者運動を長年リードしてきた。

最終更新:6/7(水) 10:30
埼玉新聞