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アルセロール・ミッタルのイルバ買収、イタリア政府と独占交渉へ

6/7(水) 6:02配信

鉄鋼新聞

 イタリア経済発展省は5日、アルセロール・ミッタル(AM)と同国鉄鋼大手のマルチェガリア連合による高炉メーカー、イルバへの買収提案を受け入れ、独占交渉に入ると発表した。このまま決着した場合、AMの粗鋼年産はリーマン・ショック以降で初めて1億トンを超える見通しだ。

 伊政府が公表したAMなどの提案内容は、買収価格が18億ユーロ(約2200億円)。このほか環境投資の実施や高炉3基による年産600万トンの維持・拡大、直接還元鉄(DRI)プラントの導入検討などが盛り込まれている。伊政府は今後の交渉で、雇用の維持といった契約上の義務を詰めていくとしている。
 AMなどはイルバ買収に向け共同出資会社の「AMインベストコ・イタリー」を設立しており、出資比率はAMイタリー・ホールディングスが51%、AM本社が34%、マルチェガリアが15%となっている。実態はAMが主体のコンソーシアムで、仮にイルバを買収した場合、AMの連結子会社となる見込み。
 世界鉄鋼協会のまとめによると、AMの2016年の粗鋼生産は9545万トン(中国東方集団の持分含む)。イルバは567万トンで、合算すれば1億トンを突破する。
 AMは欧州事業で高炉25基、電炉14基を持ち、グループ粗鋼生産の半分近くを占めるが、イタリアには上工程設備がなかった。イルバを手に入れることで欧州でのプレゼンス強化や生産・物流の効率化が進みそうだ。
 イルバはタラント製鉄所で起こした環境問題を受け伊政府が国有化し、再建スポンサーを探していた。AM連合のほか、アルヴェディやインドのJSWスチールなどのコンソーシアムも手を挙げていたが、先月にイルバがAM側の提案を推薦。5日にカルロ・カバジェロ経済発展大臣が交渉入りを承認した。

最終更新:6/7(水) 6:02
鉄鋼新聞