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再び奇妙な減光を始めた「タビーの星」。世界中の天文台が観測にあたっています

6/7(水) 12:11配信

ギズモード・ジャパン

とうとう動き出した「タビーの星」。今回は観測の準備万端。

2015年に不規則な減光が観測され、宇宙人による巨大建造物が原因ではないかとも噂された「タビーの星」ことKIC 8462852。再びその不規則な光の挙動を見せ始めました。しかしこれまでとは違い、この現象に向け、世界中の天文学者が準備に準備を重ねており、万全の状態で観測に挑んでいるようです。

【画像】再び奇妙な減光を始めた「タビーの星」

今回の現象が最初に報告されたのは2017年5月19日、ペンシルベニア州立大学の天文物理学教授Jason Wrightによるツイートでした。

Popular Scienceでも、アリゾナ州にあるフェアボーン天文台が「タビーの星」の光量が最近また約3%ほど減少していることを確認したことを報告していましたが、以前の観測と同様に通常の星の現象では説明がつかないものでした。これまでその原因として彗星群通過説や惑星衝突説、そして宇宙人による建造物説などの説が唱えられています。

ケプラー宇宙望遠鏡による4年以上の観測の間にも断続的に減光し、時には20%もの減少を見せた「タビーの星」。古い写真データから20世紀の間に19%減少したという分析もあり、その原因は謎に包まれてきました。謎を解決する唯一の方法は電磁スペクトルによる観測とされ、数多くの天文学者が再び次の現象が起こるのを今か今かと待ち構えていたのです。

そして今回、再び減光し始めた「タビーの星」。待ちに待った世界中の天文学者たちがこぞって観測を開始。Jason Wright教授はUCバークレーのSETIプログラムでのインタビューで「今まさに我々は数多くの望遠鏡を使って観測しています。非常にエキサイティングな週末となるでしょう」と語っています。その言葉通り、ハワイのケック天文台を始めとして、アメリカ、そして世界中の天文台が「タビーの星」の観測にあたっているのです。

こちらの動画はJason Wright教授のインタビューの様子(https://www.youtube.com/watch?v=eYpIGZS8nJc)です。

これまでのケプラーによる「タビーの星」の観測は白色光の観測データのみでしたが、より正確に、また異なる波長の光を観測することで、どんな物質が光を遮っているのかを知る手がかりとなります。例えば、青色光から紫外線の光が高く観測された場合、星の周りのチリの塊が原因と考えられ、赤外線が観測された場合は彗星の可能性が考えられるのです。

米Gizmodoが、奇妙な現象を発見したタビー博士ことTabetha Boyajian氏と共に活動している天文学科の大学院生Tyler Ellis氏にメールで観測状況を確認したところ「非常に素晴らしい」観測ができているそう。ラス・クンブレス天文台の測光器と惑星探査ネットワークのKELTは光学による観測。NASAの人工衛星SWIFTの紫外線宇宙望遠鏡、すばる望遠鏡、アリゾナにある大双眼望遠鏡(Large Binocular Telescope)は赤外線を観測。その他、どの範囲の光が実際に減光しているのかを測定するため、分光器を使った観測を行なう協力者や、タビーの星の偏光を調べ、減光が何らかの障害物によって引き起こされているのかどうかを確認する協力者もいます。つまり万全の体制でこの怪現象を観測できているんです。

Tyler Ellis氏によると、これまでの観測結果では赤色光がより強く検出されているそう。Ellis氏は「我々はどの色の光が減光しているのかを突き止め(赤色光であることが判明)、何が原因なのかを見つけ出したいと思っています。また以前の論文で予想されていた、減光現象は750日ごとに発生する定期的なものだという仮説が今回の減光現象で裏付けられています」と述べ、今回の現象で続々と新たな事実が判明していることに興奮冷めやらぬ様子。

謎に包まれていた「タビーの星」の減光現象ですが、今回の天文学者たちによる準備万端の包囲網によって原因がやっと明らかになりそうですね。今後の研究結果を期待して待ちたいと思います。

source: Popular Science, Twitter - Jason Wright, Tabetha Boyajian, John O'Meara, arXiv.org, YouTube - BerkeleySETI

Maddie Stone - Gizmodo US[原文]
(Shun)