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昨年の中小特許出願3万9000件、10年ぶり高水準

6/7(水) 14:30配信

日刊工業新聞電子版

■知財、経営戦略への活用意識高まる

 2016年の中小企業の特許出願が5年連続で増加したことが、特許庁の調べで明らかになった。国内の特許出願件数が漸減傾向にある中、中小企業による出願件数は3万9624件(15年は3万6017件)となり、調査を始めた06年の3万9748件に次ぐ、10年ぶりの高水準を記録した。特許出願件数に占める中小企業の割合は15・2%(同13・9%)となり、4年連続過去最高を更新した。

 特許庁は「大企業のグローバル展開の進展などサプライチェーンの構造が転換し、自社製品の開発により、下請けからの脱却を目指したり、海外展開を志向するなど知的財産を経営戦略としてとらえる必要性に迫られている中小企業が増えてきた」(幹部)とみる。
過去に特許や商標などを出願したことがない中小企業の「新規出願」推移も右肩上がりで、16年は2万件を超え、3年連続で増加。新規出願者数も前年比12・5%増の1万2688者と伸びた。

 一方、中小企業による海外への特許出願件数は09年以降増加傾向にあるものの、海外出願率は15・6%と、大企業の34・2%に比べて低い状況が続く。ただ、特許庁を受理官庁とし、中小企業が特許協力条約に基づく国際特許出願(PCT出願)した件数は前年比5・8%増の3908件と過去最高となった。

 また、商標については、16年の中小企業による出願が7万8907件(15年は6万4241件)となり過去最高を更新。出願件数に占める中小企業の割合は約59%と、前年から5ポイント増えた。中小企業の意匠出願は08年以降、ほぼ横ばいで推移している。