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逃がしてたまるか…人々が執念の追跡、詐欺受け子逮捕 川口署が表彰

6/7(水) 10:31配信

埼玉新聞

 手渡し詐欺事件の「受け子」とみられる男の逮捕に貢献したとして、埼玉県の川口署は6日、川口市のタクシー運転手ら男性3人に感謝状を贈呈した。逃走する男を捕まえようと居合わせた人々が連携、「このまま逃がしてたまるか」という執念の追跡が実った。

 感謝状を贈呈されたのは、川口市のタクシー運転手坂口昌行さん(58)、東京都北区の空調設備会社社長武智精一さん(59)、同社の関連会社に勤務するさいたま市大宮区の会社員石塚勝規さん(47)の3人。

 今月2日、長男を装った男からの電話を受け、横浜市の無職女性(72)が川口市内の公園に呼び出され、男(45)に現金300万円を手渡した。男は通り掛かった坂口さんのタクシーに乗車。約100メートル走行して信号待ちしていた時、ドアをたたく音がした。

 「お金を返しなさい」。長男に連絡し、だまされたと気付いた女性だった。気圧された男は現金を返すと、慌てて逃走。坂口さんは車から降りて男ともみ合いになり、「詐欺の犯人だ。捕まえてくれ」と周囲に応援を求めた。

 近くで工事中だった石塚さんは「一大事だと思った」。坂口さんに加勢して男を取り押さえた。しかし、男は隙を突いて逃走。女性は「大丈夫だから」と言ったが、騒ぎを聞き付けた武智さんは不審に思った。通報しつつ、見失わないよう約1キロ追跡。パトカーで巡回中の同署員に告げ、男は詐欺容疑で逮捕された。

 「自分1人だったら、犯人に逃げられていた」と坂口さん。石塚さんは「無我夢中で体が動いた」、武智さんも「逃げられてはいけないと思った」と振り返る。

 3人に感謝状を手渡した同署の南里秀夫署長は「忙しい中、強い正義感で犯人検挙に大きく貢献してくれた。深く感謝したい」と勇気ある行動をたたえた。

最終更新:6/7(水) 10:31
埼玉新聞