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TOKYO No.1 SOUL SET渡辺俊美「親の懸命な背中が一番の教育」弁当で繋いだ親子の絆/インタビュー

6/7(水) 16:18配信

MusicVoice

 TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美(Gt、Vo)が、映画『パパのお弁当は世界一』(6月10日公開)に映画初出演、かつ初主演を果たす。

 この映画は、娘の3年間の高校生活に、弁当を作り与え続けた父と、その娘との心の交流と感動を描いたストーリー。これは実話として、ツイッターで投稿されたストーリーをもとに作られた物語で、ツイッター上では大きな反響を呼んでいる。今回、この父親役を渡辺、娘のみどり役を女優の武田玲奈が演じる。渡辺自身も、かつて息子の高校時代に弁当を作り与え続けた経験を持つ。

 この作品の主題歌は、シンガーソングライターの片平里菜が歌う「なまえ」。片平は渡辺とも同郷の福島県出身で親交も深いアーティスト。この楽曲も非常に映画に寄り添い、ストーリーのイメージを膨らませている。

 今回はインタビューで、渡辺にこの作品への出演の経緯やストーリーに共感した自身の思い、「なまえ」に対して抱いた印象などを語ってもらった。

親が一生懸命やっている背中を見せることが一番の教育

――渡辺さんがこの映画へ出演されるまでの経緯は、どのような感じだったのでしょうか?

 制作側からのオファーを受けたんですが、ただ最初は映画じゃなかったような気がするんですけど…(笑)。もともとは(片平)里菜ちゃんのプロモーション的なMVを作ろうという案があって、それに出演してほしいという話だったんです。僕的にも“俳優”と呼べるほどの演技をするのでなければ、逆に里菜ちゃんをよく知っているので、ぜひ協力したいという思いでOKの返事をしていたんですが…。

――それが、いつのまにか映画を…。

 そう、しかも主演となっていたから「え? あれ?」って(笑)。ちょうど3月の頭は、里菜ちゃんのシングルリリース(「なまえ」)だったし、僕も2月は地方の方にずっとツアーに行っていて、確かスケジュールがいっぱい。どうもその間にどんどん話が変わっていったようで。だから「マジか!? セリフをやるのか!?」という感じで、大丈夫かなと不安でしたね。撮影のスケジュールなんかも結構大雑把な感じで、尺も決まってなかったし。それにまだ僕も3月11日くらいまでは、福島に毎週のように行っていましたし。

――それは大変な時期で。このストーリーは、片平さんの最新シングル「なまえ」にすごく寄り添っている感じですね。

 もともと「なまえ」があって、Twitter上でたまたま流れてきたこの物語のツイートをレコード会社のスタッフが見て、これは「なまえ」に合うんじゃないか? という経緯で決まったと聞いています。その中でも多分「弁当」というキーワードで、僕が呼ばれたんだと(笑)。

――このストーリー自体に、渡辺さんはどのような印象を持たれましたか? もともと渡辺さんも息子さんにお弁当を作って与えられていたエピソードがありますが、「自分のほかにも、こういう父親がいたんだ!」みたいな衝撃なんかは…。

 まあ確かに、僕だけではないだろう? とは思っていましたけどね。ただ今回は、お父さんが実際に娘さんにお弁当を作って、娘さんからツイッターで上げるというストーリーなんです。僕は息子のために作ったものを、自分で上げていたので…。

――ストーリーや視点に違いがあるということでしょうか?

 僕のは、息子にちゃんと毎日学校に通ってほしいから、自分も“毎日同じことを続けられる”ことをやるという目的でやってきたんです。映画の方は、お父さんが純粋に弁当を与えたいという気持ちで作って、娘はそれに対して「ありがとう」の感謝も含めて、記念として撮っていたと思うんです。そのあたりで、同じ弁当でも違うとらえ方になっています。もう本当に「娘、最高!」って思いました(笑)。僕の弁当を食べてくれた息子も最高ですけど。ただ共通しているのは、どっちも親が最高じゃないんです。

――ちゃんと親の思いに感じてくれているというところですね。

 そう、そこが一番大事だと思うんです。そこは一緒で、このストーリーは娘が偉い、みどりちゃんはカッコいいな! と思いました。

――今回の出演に関しては、息子さんには伝えられましたか?

 いや、実は僕が気づく前にニュースを息子が発見して「パパ、映画に出るの?」「いや、そうなんだよね…」みたいな感じで話して(笑)。ちょうど地方に行っていた頃だったんだけど、やたらツイッターでダーッと僕の名前と映画の話が出ていて、チョーびっくりしました。「マジか!? んなになってるの!?」って(笑)。その時に息子からもちょうど連絡があって「ヤバいね! 頑張ってね! 撮ったの?」とか(笑)。だからかなりプレッシャーというか、そこですでにもうお父さんスイッチが入っていました(笑)。

――息子さんはわりと客観的に見られていた感じですか。

 まあいつもなんですけどね。オヤジはオヤジ、僕は僕、という感じで。酔っぱらった時しか甘えてこないし(笑)。

――渡辺さんはエッセイも執筆されていますが、息子さんのお弁当を作られたことについて、改めて「自分でお弁当を作っていて良かった」と今になって思うところなどもあるのでしょうか?

 それはもちろんあります。僕としてはちゃんと高校に行ってくれた、というところだけですけど。息子は中学校を卒業後に1年間学校に行かなかったんです。反抗期というと変ですけど「僕には僕の道がある」的な思いを持っていたというか。僕はその思いを尊重しました。「まあ、別に行かなくても」くらいに思って。

 でも「やっぱり行きたい」と彼の思いが変わった時に、とりあえず続けてもらえればと思っていました。まあ息子にはどうのこうのというより、犯罪を起こさなければいい、死ななければいいくらいに思っていたんです。

 そんな中で、弁当を作っていて思ったのは「食べること」はすごく大事なんだということ。「食育」という言葉もありますけど、親がそれを面倒くさがっては、子供もいろんな意味で面倒くさくなってしまうんだと思います。だから、親が一生懸命やっている背中を見せることが、子供への一番の教育だということではないかと思いました。

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最終更新:6/7(水) 16:18
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