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19歳のオスタペンコが初のグランドスラム準決勝へ [全仏テニス]

6/7(水) 17:02配信

THE TENNIS DAILY

 フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート)の大会10日目、女子シングルス準々決勝。

19歳のオスタペンコがウォズニアッキに4連勝でノーシードから準決勝へ [全仏オープン]

 突然、初のグランドスラム大会の準決勝に進出したエレナ・オスタペンコ(ラトビア)は、屈託ないティーンエイジャーのように見える。彼女がそんなふうであるのも、あとほんの少しの間だけだろう。雨に見舞われたその火曜日、ノーシードの19歳、オスタペンコは、元世界1位で第11シードのカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)を4-6 6-2 6-2で破った。

 彼女は記者会見でジョークを言い、それから自分の言葉に自分でくすくす笑った。部屋から出て行きながら、彼女は代理人のほうを向き、大きな笑みを浮かべて自慢げに「私の答え、面白いでしょ」と囁いた。これらすべてが彼女にとって非常に新しいことなのだ。そして彼女はベスト4に進んだことに、ほかの誰とも同じように驚いているようだった。

「もちろん、ここにやって来たとき準決勝に進出することを予想してはいなかった。でも試合ごとにどんどんプレーがよくなってきている」と47位のオスタペンコは言った。「だからこれを続けられれば、どんなことだって起こり得ると思うわ」。

 この最後の言葉は、2017年全仏オープンを記念するためにポスターの上に印刷してもいい言葉だ。

 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ/妊娠中)、マリア・シャラポワ(ロシア/ワイルドカードをもらえず)、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ/出産のあと、現在復帰準備中)らは皆出場しておらず、現世界1位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)は1回戦で敗れ、前年度優勝者のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)も4回戦で敗れて、今、女子シングルスでの優勝の可能性は皆に向かって大きく開かれている。

 これは、準々決勝進出者の中に過去のグランドスラム大会の優勝者が一人もいない、1979年の全豪オープン以来の大会なのである。“どこからともなくやって来た“オスタペンコの次の相手は、第30シードのティメア・バシンスキー(スイス)だ。彼女は第13シードのクリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)を6-4 6-4で倒して勝ち上がった。

 オスタペンコと、2年前にも全仏で準決勝に進出しているバシンスキーは、木曜日に対戦する。そして驚くべき偶然は、その日----6月8日がオスタペンコの20歳の誕生日であると同時に、バシンスキーの28歳の誕生日でもあるということなのだ。彼女たちはともにそのことを知っている。というのもふたりは昨シーズン、ある大会でいっしょにダブルスを組み仲良くなっていた。火曜日の勝利のあと、ふたりはジムで遭遇し抱擁を交わし合った。

「彼女はラッキーだわ。私よりずっと若いから」とバシンスキーは言った。「でももしかしたら、私もラッキーかも。経験があるという意味でね」。

 オスタペンコはまだ、ツアー・レベルでタイトルを獲得したことがない。今週以前のオスタペンコは、グランドスラム大会で一度だけ3回戦に進出したことがあっただけだった。

 一年前のオスタペンコは全仏の1回戦で敗れ、そしてその一年前には全仏の予選1回戦で負けていた。

「たぶん、私はある種の新世代(の星)かも」とオスタペンコは言った。

 全米準優勝を2回経験しているウォズニアッキを相手に、オスタペンコはオンラインを狙った厳しいショットを打ち込み、38本のウィナーを記録するに十分なだけ、願うところにショットを送り込んでいた。これは、より守備的なウォズニアッキのウィナーより32本も多い数である。

「多くの場合で彼女は振り遅れて打っているように見え、ある瞬間には、あれではクロスコート、またはダウン・ザ・ラインには打てない、というふうに思えるんだけど」とウォズニアッキ。「にもかかわらず、彼女はやってのけるのよ」。

 オープン化以降の時代で、グランドスラム大会の準決勝に進んだ初のラトビア人女子プレーヤーとなったオスタペンコいわく、持ち前のすぐれたフットワークは趣味の社交ダンスのおかげなのだという(彼女はサンバをより好んでいる)。

 この日の試合が始まったとき、風速は平均30km/hで、時に85km/hの突風にも見舞われ、ボールは不規則に流れることになった。サービスのトスに関しては、ある種の冒険だった。クレーコート上で砂埃が舞うと、選手たちは目をぬぐった。そして合計3時間半にもおよぶ雨による中断と遅れがあった。このせいで同日に予定されていた男子シングルス準々決勝の2試合は水曜日に延期になっている。さらに、女子シングルス準々決勝の試合が再開されたとき、気温はわずか12度に落ちていた。

「すべての季節が一日に訪れたという感じだった」とバシンスキーはコメントした。「私たちは、ハリケーン、雷雨に襲われ、ほとんど雪も降りそうだった」。

 風に煩わされ、オスタペンコは最初0-5の劣勢に立たされていた。しかし風の旋回がややおさまるにつれ、彼女はストロークをよりよく調整し始め、26歳のウォズニアッキに対し、オスタペンコが堂々と渡り合えるだけの力を持つことが明らかになっていく。

 また、2014年ウィンブルドン・ジュニア・チャンピオンのオスタペンコにとって、この顔合わせは願ってもないものでもあった。というのも彼女はウォズニアッキに対し、過去3戦全勝の戦績を誇っていたのだ。

 第3セットで1-2とリードされたことをものともせず、オスタペンコは試合の終わりには微笑み、叫び、こぶしを突き上げつつ、最後の5ゲームを連取したのである。

 オスタペンコが上昇中の新星だとしたら、バシンスキーはそう遠くない昔にテニスを諦めかかったことさえあった。

 4年前、足と腹筋を痛めたあと、彼女はホテル経営の資格を取ることに目を向けながら、レストランで働くため、一時休止期間をとった。2014年にツアーに戻ってきた彼女のランキングはトップ100の外に落ちており、全仏オープンに出場するのに予選を勝ち抜く必要があった。

 しかしながらパリは、彼女からベストを引き出す町だ。

「全仏は、私の心にもっとも近い大会なの」とバシンスキーは言った。「ここでプレーするのが大好きよ」。(C)AP (テニスマガジン/テニスデイリー)

最終更新:6/7(水) 17:02
THE TENNIS DAILY

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