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半導体と歩んだ人生 厳しくも「フェア」な外資系 那覇出身48歳の日本支社長

6/7(水) 5:10配信

沖縄タイムス

ネクスペリア日本支社長 国吉和哉さん(48)=那覇市出身

 外資系企業を転職しながらキャリアを積み重ね、今や世界的な半導体メーカーの日本支社を束ねる。企業の統廃合が相次ぎ、世界的な業界再編が進む中、勝ち抜くための経営戦略が求められる日々。「まだ道半ばです」。さらなる高みを目指している。

 琉球大工学部を卒業後、上京し、日本の大手システム系企業に就職。ハードウエア部門に配属され、半導体とのかかわりが生まれる。将来大きな成長が期待される半導体分野に魅力を感じ、24歳の時、米オレゴン州のベンチャー企業に、エンジニアとして採用される。外資系を歩む始まりだった。

 4年後、半導体業界の最大手の会社からヘッドハンティングされ移籍。仕事ぶりが買われ、セールスマネジャーへと昇格する。会社に籍を置きながら、週末に米テンプル大日本校へ通い、経営学修士(MBA)を取得。その3年後に、さらに業界の中で転職を果たす。

 もともと外資系を望んでいたわけでも、転職を求めていたわけでもない。「外国に行くのも好きじゃなかったし、英語も話せなかった」。苦笑いしつつ、自らの歩みをこう振り返る。「小さい頃から半導体に興味があった。自分としては、やっていることは一緒。その延長線上に海外の会社があり、転職があった」

 日本の会社に勤めている時はタイムカードを押し、残業を申請して手当をもらった。外資系では一変して年俸制になった。決められた時間を働くのではなく、自分で労働時間を決める。もちろん「残業」という概念はなく、完全な成果主義。「自由な分、自分で責任を取ることになる」

 厳しい世界だが、結果に対する評価は「フェア」という。「いきなり『あなたの給料はこれです』とはならない。定期的に会社側と社員が対話しながら個別に目標設定し、レビュー(点検)して(仕事に)フィードバックする。『サプライズ』は起こらないんです」

 大学の友人から「なぜ転職するの?」と聞かれることもあるが、その心構えを「会社の業績が悪いから転職するのではなく、次なる挑戦をする上で、外にしか活路を見いだせない場合に考えるべきだ」と話す。

 半導体業界は「刺激がある。車の自動運転が始まる2020年以降はもっと活発になり、ますます面白くなる」。今の会社は、元の会社の一部署が独立し、2月にできたばかり。20年までに軌道に乗せるのが目標だ。「沖縄の若者も外の世界にチャレンジしてほしい」とエールを送った。(東京報道部・西江昭吾)=連載・アクロス沖縄(51)

【プロフィール】くによし・かずなり 1969年、那覇市生まれ。那覇高、琉球大工学部電子情報工学科を経て、システム系大手の「シーイーシー」に就職。24歳で米オレゴン州のベンチャー企業に転職し、その後、半導体メーカー大手の「アルテラ」「NXP」と転職を重ねる。NXPの「スタンダードプロダクツ事業部」が独立して「Nexperia(ネクスペリア)」となり、今年2月から同社の日本支社長を務める。

最終更新:6/27(火) 11:20
沖縄タイムス

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