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無理な住宅ローンは「不幸の資産」? 定期的な見直しを

6/8(木) 8:10配信

ZUU online

個人が持てる資産にはさまざまなものがあります。株・債券・投資信託、貴金属、自動車…中でも高額なのが不動産です。資産は生活を豊かにするために持つものですが、そのために無理なローンを組んでしまうと、時には不幸の原因となることもあります。マイホーム購入にあたっては、間取りやインテリアだけでなく、自分に適正な住宅ローンについても十分検討することが大切です。

■バランスシートで住宅ローンを考える

マイホームは最大の財産ととらえる人は多いでしょう。その財産を正しく把握するには、まずバランスシート(貸借対照表)を用います。購入した不動産や住宅ローンは、バランスシート上でどのように位置づけられるのか考えてみましょう。

バランスシートには左側に「資産」、右側に「負債」と「純資産(資本)」の部があります。住宅ローンを借りてマイホームを購入した場合、不動産は資産の部に、住宅ローンは負債の部に、頭金は純資産の部に割り当てられます。

(資産の部):不動産
(負債の部):住宅ローン
(純資産の部):頭金

非常に単純化していうと、購入した時点では右側と左側は均衡している状態にあります。しかし、ご存じの通り住宅ローンには金利手数料がかかるので、その分右側の負債が膨らむことになります。左側の資産である不動産から家賃収入といった利益があれば金利分を補うことができますが、自宅として使用する場合は利益が生まれないため、別途働いて得た給与収入などを充てる必要があります。つまり、収入に対し無理のない範囲の住宅ローンを組まないことには、バランスシートのバランスが悪くなってしまうということなのです。

■金利だけでなく「返済総額」にも注目すべし

バランスシート上では資産<負債の状態になること、つまり保有資産すべてを現金化しても借金を返済しきれない状態を「債務超過」といいます。企業と違って家計の場合は一時的に債務超過になってもすぐにあわてる必要はありませんが、できるだけ改善する方向に持っていく方が良いのは確かです。そのため、負債つまり住宅ローンをいかに圧縮するかが重要になってきます。

住宅ローンを考えるうえで最も重要なのは「返済総額」です。返済総額は「金利」・「借入額」・「返済期間」で決まります。金利が低くても返済期間が長すぎると返済総額は大きくなりますし、逆に返済期間を短くすれば同じ金利でも返済総額は少なくて済みます。しかし、返済期間を短くして返済総額を抑えようとすれば、月々の返済額が増えることから苦しくなります。月々の返済額を抑えて期間も短くしようとすると、借入額が小さくなって満足のいく買い物ができません。まさにあちらを立てればこちらが立たず、なのです。

大きな要素は上記の3つですが、それ以外にも返済方法が元利均等か元金均等か、固定金利か変動金利か、融資手数料や保証料などの負担額によっても返済総額は変わってきます。これらが複雑に絡み合った要素をバランスよく組み合わせながら、なるべく返済総額を抑え、かつ返済に無理のない住宅ローンを選ぶことは、大変重要なことであり、かつ難しいことでもあります。

■最適ではない住宅ローンがもたらす悲劇

実は日本では、無理な住宅ローンを組んでしまったために破産する人が増えています。日本弁護士連合会の2014年の調査によると、住宅ローンの返済が苦しいために破産した人の割合が全体の16%を超えることが分かりました。もっとも多い破産理由は「生活苦・低所得」ですが、これは病気や非正規雇用、ひとり親などもともと貧困層にあった人たちが多重債務に陥ったケースです。一方、住宅ローンによる破産は安定した仕事と収入を持ちながら、不適合な住宅ローンを組んだために債務超過に陥ったものです。

全体の破産件数はここ十数年ずっと下降傾向でしたが、住宅ローンによる破産は1997年に12.24%だったものが2014年には16.05%まで増加しています。生活が苦しかったわけでもない“普通の人”が住宅ローンで破産する事例が増えていることは注目に値します。

計画段階では最適であったはずなのに不測の事態によって窮地に陥ることもあります。そのため、住宅ローンは定期的に見直し、時には借り換えを視野に入れることも大切です。

■苦しい時は借り換えも視野に

住宅ローンは、家のためなら超低金利で高額な借り入れができる唯一の方法といっていいでしょう。しかし、身の丈に合っていない借り入れはどんな時にも生活に悪影響を及ぼします。

住宅ローンの仕組みは複雑で、難しい説明を聞いてやっと手続きが終わったのに、同じことをもう一度やりたくないと借り換えを敬遠する人は多くいます。しかし、ローンを取り巻く環境は日々変化し、借り入れ時にすべて予見することは不可能です。そのため、定期的に見直しをすることが重要なのです。

見直しをする際には、住宅ローンの売り手である金融機関ではなく、中立な立場にある専門家に相談するのがベストな選択肢といえるでしょう。

(提供:住宅ローンのすゝめ)

最終更新:6/9(金) 19:09
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