ここから本文です

女性医師の復職後押し 浜医大病院内センター本格始動

6/8(木) 9:04配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 出産での離職や、育児と仕事の両立に悩む県内の女性医師の就業や復職を支援しようと浜松医科大付属病院に設置された「ふじのくに女性医師支援センター」が本格始動する。支援や復職に関する県内の病院や診療科の情報網を確立し、職場復帰やキャリア形成を後押しする。

 34歳以下の女性医師の割合が増加する中、出産などによる長期休職や離職は、県内の医師不足を解消する上で大きな課題。ふじのくに女性医師支援センターは県の委託事業で4月に開設した。2014年から浜松医科大付属病院女性医師支援センターを設置し、保育施設紹介など育児や復職支援を行ってきた同病院の先駆的な取り組みを発展させ、全県を対象にキャリア支援を展開する。

 開設に伴い、院内の事務室に専任の女性医師1人を含むコーディネーター2人を配置した。復職に際して重要な判断基準となる復帰条件や勤務形態は病院や診療科で異なるが、現在は情報収集が個々に任され、困難な状況にある。同センターではまず、同病院の各診療科や県指定の公的医療機関約50施設の情報網や連携体制を確立して情報を公開する。情報取得の壁を取り除き、復職や、夫の転勤などで県内に転居してきた女性医師の職場探しを後押しする。

 今後は、就業相談、キャリアプランの作成、休職者向けの短期トレーニングプログラムや非常勤医が常勤医に戻るためのトレーニングプログラムの開発・運用を目指す。

 子育てで病院を離れた経験がある専任の谷口千津子医師は「やる気があるのに困っている医師に情報や経験を伝え復帰の窓口にしたい」とし、「復職した医師が若い世代を応援できる仕組みができれば」と展望する。



 ■時短、研修でキャリア維持 浜医大病院

 県内唯一の医師育成機関の浜松医科大付属病院(浜松市東区)は、先行して女性医師支援策を導入している。5月からは子育て中の女性医師向けの支援枠制度を設けた。

 最近は子どもの小学校入学後も常勤で働くことを困難に感じ、短時間勤務が可能な施設に動かざるを得ないケースも増えている。支援枠の医師は、ふじのくに女性医師支援センター所属の非常勤医師として各診療科で短時間勤務をしながら、院内各診療科から提示された研修で訓練を積み、同病院や県内施設で常勤医として働くための準備やキャリア維持が可能になる。最長3年間在籍できる。

 同病院では病児・病後児保育も8月に始動し、院内の環境整備も進める。センター長の戸倉新樹皮膚科学講座教授は「(医師数の少ない)県東部の病院にどう波及させるか。センターを拠点に復職のためのネットワーク作りを進めたい」と語り、同大の仕組みがモデルケースとして普及することに期待する。問い合わせは同センター<電053(435)2380>へ。

静岡新聞社