ここから本文です

リニア静岡県内区間、工事へ 地権者合意 事業者公募開始

6/8(木) 9:13配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 JR東海の柘植康英社長は名古屋市で開いた7日の定例記者会見で、リニア中央新幹線計画の沿線7都県で唯一未着工となっている静岡県内区間(静岡工区)について、地権者の特種東海製紙と環境保全などに関して合意し、南アルプストンネルの本線(8・9キロ)と、湧水を大井川に戻す導水路トンネル(11・5キロ)の施工事業者の公募を同日開始したと発表した。柘植社長は「沿線の全都県で本格工事の見通しが付いた」と述べた。

 導水路の一部などを含む本線トンネルの工事は10月18日、導水路の大半部分に当たる9・3キロの工事は10月5日までに事業者からの技術提案や見積書の提出を受ける。柘植社長は、工事契約の締結時期について「できるだけ早く締結したい」と述べた。事業者の決定後、住民説明会などを経て着工する。

 2027年開業予定としている東京・品川-名古屋間の全体工期については「(静岡工区の事業者公募開始がこの時期になったことで)支障を来すとは考えていない」と述べた。

 工事に伴う大井川の流量減少を懸念する下流域の利水者らが対策内容を明記した基本協定締結を求めていることに関しては「早期締結に向け誠実に対応する」とした。一方、締結を待たず事業者の公募を開始したことについては「これまで行ってきた地権者との協議がまとまったので、工事に関する契約手続きを進めさせていただくということ」と説明した。



 ■静岡県「湧水全量回復早期表明を」

 リニア中央新幹線の県内区間について、JR東海と地権者の特種東海製紙の協議が調い施工事業者の公募が始まったことを受け、県水利用課は7日、「国家的に重要な事業である一方、大井川の水資源、南アルプスの自然環境に十分配慮した上で整備する必要がある。JR東海には工事によって出るトンネル湧水の全量を、恒久的に確実に大井川に戻すことを早期に表明するなど、誠実な対応を求めたい」とコメントした。

 工事に伴って予想される大井川の流量減少を巡り、県は4月、JR東海に対し全量回復を早期に表明するよう求める知事意見を提出。同社側は同月末、回答を示したが、「影響の程度をできる限り低減していく」との内容にとどまった。

静岡新聞社