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【全仏オープン】マリーに逆転負け 錦織の意外な弱点発覚

6/8(木) 16:51配信

東スポWeb

【フランス・パリ7日(日本時間8日)発】テニスの全仏オープン男子シングルス準々決勝で世界ランキング9位の錦織圭(27=日清食品)は同1位アンディ・マリー(30=英国)に6―2、1―6、6―7(0―7)、1―6で逆転負けし、初の4強進出を逃した。序盤絶好調も第2セットからマリーに流れを変えられ、終盤は完敗。GAORAテニス中継解説者の佐藤武文氏(46)はその原因に錦織の意外な弱点を挙げ、改善の必要性を訴えた。

 1933年の佐藤次郎以来、日本男子84年ぶりの4強はならなかった。センターコートから去る錦織の足取りは重く、目線も下がったまま。ショックの大きさを物語る光景だった。

 第1セットは2つのブレークを奪う抜群の立ち上がり。タメを作ってマリーにコースを読ませず、ボールにも伸びがあった。ラリー戦で引き付け、隙あらばネットプレーを展開。マリーはどうすることもできなかった。

 流れが変わったのは第2セット第3ゲームだった。たびたびトスをやり直していたマリーが主審から遅延行為のジャッジを受ける。猛抗議も実らず、第1サーブの権利を剥奪された。しかし、この一件でマリーが目覚める。キープに成功すると、獣のような絶叫とともにガッツポーズ。以後、プレー内容は一変する。錦織は続くゲームを落とし、第1サーブの確率は27%まで急降下した。

 錦織は第2サーブを、マリーにベースラインの内側から痛打されるようになる。第3セットはタイブレークまで持ち込んだが、1ポイントも取れず、またもラケットをコートに叩きつけた。今度はラケットは折れなかったが、集中力はヘシ折られた。鉄壁の守備が復活したマリーを前に、第4セット第4ゲームはエアK、スマッシュの波状攻撃を返され、万事休す。一気に6ゲームを連取され、終戦となった。

 最高の出だしが、なぜ途中から崩れたのか。佐藤氏は主審の遅延行為判定が、かえってマリーを生き返らせる結果になったことを認める一方で「いい流れを止めたのは錦織選手本人」と分析。その上で、錦織のスマッシュミスを敗因に挙げた。

 第2セット第1ゲーム、錦織がスマッシュを失敗し、マリーに得点を与えた場面だった。その後、錦織は一気に後退したが、実は錦織にとってスマッシュは「得意じゃないとみんなが思っていること」(佐藤氏)という課題の一つ。原因はラケットの握り方にあり「打点が頭の後ろになるスマッシュにはコントロールしづらいグリップなんです」(同)と修正が難しいという。

 マリーはそこを巧みに突いた。第3セット以降、頭上を越えるロブショットを使い、錦織のスマッシュを誘った。「マリーは『スマッシュを打たせれば何か起こるかもしれない』と思っていた。(錦織は)スマッシュからポイントになったのはほとんどない」(同)。要所でのダブルフォールトに加え、弱点を徹底的に攻められ、錦織はリズムを狂わされた。

 持ち越された4大大会初制覇の夢。佐藤氏は「満身創痍だと思うんですけど、第1セットで見せたクリエイティブなプレーが戻ってきた。シーズン序盤の足踏みからは抜け出せたと思います」と収穫も強調した。世界の頂点との距離を再び思い知らされた錦織は、この敗戦を糧にできるか。

最終更新:6/8(木) 16:51
東スポWeb