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焦点:米大統領、コミー氏証言で司法妨害の疑い強まる可能性も

6/8(木) 13:26配信

ロイター

[ニューヨ-ク 7日 ロイター] - トランプ米大統領に解任されたコミー前連邦捜査局(FBI)長官が、大統領からフリン前大統領補佐官の捜査から手を引くよう要請があったほか、大統領に忠誠を求められたとの認識を明らかにしたことを受け、トランプ氏に対する司法妨害の疑いが強まる可能性がある。

専門家の間では、司法妨害の疑いが強まれば弾劾の根拠になり得るとの見方も出ている。ただ、大統領の弾劾は下院の承認が必要なことから、共和党が下院の多数派を占める現状ではハードルは高いとみられている。

コミー氏は7日、上院特別情報委員会で8日に行う証言の内容を事前に提出した。情報委のウェブサイトで公開された文書によると、トランプ大統領は2月14日にコミー氏と1対1で話した際、フリン氏は「いいやつだ」と述べ、同氏とロシアのつながりを巡る捜査から手を引くことを望むと伝えた。

フリン氏はこの前日の13日に辞任していた。

ノースカロライナ大学法科大学院のマイケル・ゲアハルト教授はコミー氏の証言内容について、フリン氏を巡る捜査を妨害する意図がトランプ大統領にあったことを裏付ける可能性があると指摘する。

教授は「忠誠に関する明確な言及は気がかり」であり、「ロシア関連捜査に対し大統領が圧力を加えようとしていた、あるいは少なくとも一定の影響力を及ぼそうとしていた」という見方を強める可能性があると述べた。

トランプ大統領の弁護士マーク・カソウィッツ氏は、コミー氏の証言内容が司法妨害の根拠になるかとのロイターの質問に対し現時点で返答していない。ただ、コミー氏の証言原稿で大統領がロシア疑惑の捜査対象ではなかったことが確認され、大統領は満足しているとの声明を発表した。

司法妨害を立証するためには「不正の」意図があったことを証明する必要があり、妨害に成功したかどうかは問題ではない。現職大統領が刑事訴追される可能性は低いが、司法妨害は弾劾の根拠となり得る。

フォーダム大学法科大学院のブルース・グリーン教授は、トランプ大統領にフリン氏の捜査を妨害する意図があったと証明することは難しいと指摘する。大統領は、フリン氏の人柄を保証しただけで、捜査が大統領の職務に支障をきたしていることへの懸念を表明したにすぎないと主張することができるためだ。

ハーバード大学法科大学院名誉教授で著名弁護士のアラン・ダーショウィッツ氏も、トランプ氏の発言は「曖昧な表現」で「司法妨害には程遠い」との見方を示した。

ただ、2月14日の両氏の会話を取り巻く状況が捜査妨害の意図の裏付けとなる可能性があるとの指摘も出ている。

コミー氏によると、トランプ大統領はコミー氏と1対1で話すためセッションズ司法長官やクシュナー大統領上級顧問ら側近に退席するよう指示したという。

サバンナ法科大学院のアンドリュー・ライト教授は「他の人を退席させたということは、大統領が自身の行為について問題があると認識していたことを裏付ける可能性がある」と指摘した。

また、コミー氏がオバマ前大統領との会話については記録を残さなかったのに対し、トランプ氏の場合は最初の会話の後から記録する「必要性を感じた」としていることなどに言及し、コミー氏の証言はトランプ大統領に「最大の打撃」をもたらすと述べた。

ノースカロライナ大のゲアハルト教授も同様の見方を示し、「これまで懸念を抱いていなかった人も、これで気がかりになったはずだ」と語った。

(Jan Wolfe記者)

最終更新:6/11(日) 12:41
ロイター

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