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ミラーレスならではの軽快さ、キヤノン「EOS M6」

6/8(木) 14:37配信

ITmedia LifeStyle

 EOS M6は、キヤノンのミドルクラスのミラーレス一眼である。

 APS-Cサイズのセンサーを持ちながらボディはコンパクトで価格も手頃。

EOS M6を上から。右肩にダイヤル類が集中している

 ミラーレス一眼をメインとする各社がハイエンドクラスの性能をガンガン上げてきている中、キヤノンは一眼レフのサブ機として使えるミドルクラスをメインに展開し、ユーザーを獲得してきた。

 M6はその中核をなす、ミラーレス一眼らしさを存分に発揮する製品といっていい。

 一眼レフに比べてコンパクトで、背面モニターを使った撮影を存分に楽しめるし(自撮りにも対応)、しっかり構えて撮りたい人には外付けEVFも用意されている。幅広くレンズ交換式カメラを楽しめるのが特徴だ。

●EOS M6はEOS M5と比べてどうなの?

 EOS MシリーズはM、M2、M3、M5とどんどん性能を上げてきた。じゃあEOS M6は「EOS M5」の上位機か、というと実は全然違う。

 内容としては、“EOS M5ライト”といった方がいい。立ち位置的に“EOS M3 mkII”でもいいかも、と思う。

 中身はほぼEOS M5だ。EOS Mシリーズの弱点だったAF回りをデュアルピクセルCMOSセンサーで改善し、全体にレベルアップしたEOS Mの普及機的な位置付けである。

 デュアルピクセルCMOSセンサーによってAFは速くなり(ただし、他社のフラッグシップミラーレス機に比べるとやや物足りないが)、連写も約9コマ/秒とEOS M5と同じ。

 映像エンジンも「DIGIC 7」を搭載している。

 ただ、EVFを外付けにしたことでカメラとしての味付けは大きく変化した。

 ファインダーを覗いて本格的に撮りたいミラーレスがEOS M5なら、ミラーレスならではの機動力を生かして軽快に楽しみたいのがEOS M6だ。

 EVFがない分、高さが68mmに抑えられ、重さも約390g(レンズ除く)。バッグへの収納性も高い。

 背面モニターは従来のEOS M同様チルト式で、3.0型とM5よりちょっとだけ小さい。もちろんタッチパネル対応だ。

 ファインダーの出っ張りがないぶん、モニターは180度回転対応。エントリー向けのミラーレス機に欠かせない自撮り対応になった。

 で、自撮りしたときの写真がこちら。

 ボディがコンパクトなので自撮りも楽。APS-Cならではの画質の良さが目立つ。

 キットレンズは15-45mmでF3.5-6.3。望遠端がF6.3と少し暗いのは気になるが、軽くてコンパクトで35mm換算で24-72mm相当。広角端だと自撮りにもちょうどよい。ただ、レバーをスライドさせながらズームリングを回転させて撮影可能になるという沈胴式はもうちょっとスマートにしてほしいかなと思う。

 今回はEOS M6のダブルズームキットをEVF付きで借りた。

 望遠ズームレンズは55-200mmでF4.5-6.3。

 特徴的なのはレンズが“細い”こと。実は15-45mmも55-200mmも、さらに超広角ズームの11-22mmも高倍率ズームの18-150mmもレンズ径が60.9mmと同じなのだ(フィルター径はそれぞれ違う)。わざとレンズの太さをそろえているのだろう。

 さて望遠レンズをつけると安定した撮影のためにファインダーをのぞきたくなる。

 アクセサリシューにEVFを装着する。

 EVFは円筒形で、さすがにぴょこんと飛び出る形になるが、今までの外付けEVF(EVF-DC1)に比べるとすっきりしているのはチルト機構がないからだ。EVFのチルトはまあなくてもまったく問題ないかと思う。

 デザインとしてはこちらの方がいい。

 EVFは236万画素の有機ELでEOS M5の内蔵EVFと同じ。背面モニター(こちらは液晶)に比べるとコントラストが高く、もうちょっと見え具合を合わせてもらえるとうれしい感じ。

 また各フラッグシップ機に比べるとあまり大きくはない。

 その辺はミドルクラスミラーレス機のEVFと思えばいいだろう。

 EVFを装着した望遠ズームレンズで撮影したポートレートはこちら。

 キヤノンらしい安定感のある写りだ。

 EOS M5とEVFを装着したEOS M6の違いは「タッチ&ドラッグAF」への対応。M5で採用された「タッチ&ドラッグAF」(EVFをのぞいた状態で背面モニターをタッチパッドとしてAF枠移動に使える)は、M6+EVFでは使えない。

 M5の「タッチ&ドラッグAF」は便利だっただけに少々残念だ。

 EVFをのぞいた状態でAFエリアを動かしたいときは、背面のAFフレーム選択ボタンを押してから十字キーで動かす(あるいはいったん目をEVFから離して、タッチパネルを使う?)必要がある。

●高感度撮影時のノイズは多め

 EOS M5をベースとしているので基本的な使い勝手はM6も同じ。ただ、上面に内蔵ストロボとアクセサリシューが並んだため、スペースが狭くなり、サブ電子ダイヤルと露出補正ダイヤルが2段重ねになり、ダイヤルファンクションボタンがなくなった。

 それ以外はほぼ同じ。

 右手側にボタン・ダイヤル類が集中したおかげで(やや窮屈ではあるが)分かりやすくなったともいえる。

 ミドルクラスミラーレス一眼としてみると、独立した露出補正ダイヤル、背面のロータリーダイヤルを含む3ダイヤル構成を持ちつつ、ボタン類はシンプルで慣れてしまうとなかなか使いやすい。

 ダイヤルやボタンはカスタマイズするのがお勧め。

 とくに3つのダイヤルを効率よく使うにはカスタマイズが必要だ。

 ではそろそろポートレート以外の作例を。

 まず定番ともいえる風景(ガスタンク)、料理、夜景の3つを。

 ここで高感度チェック。ISO感度は最高25600まで上げられる。その画質はどうか。

 正直、高感度時の絵は他社の最新のAPS-Cサイズカメラに比べるといまひとつ。ノイズも盛大に乗ってきてるし、感度があがるにつれディテールもつぶれていく。ちょっと残念である。

 シャッタースピードは最高で1/4000秒。メカシャッターのみで電子シャッターには未対応なのでこれがMAXとなる。

 ではそれ以外の作例を。

 以上。

 EOS M6で新たに搭載した機能として最後にBluetoothに触れておきたい。

 EOS M6ではWi-Fiに加えてBluetoothにも対応した。

 Bluetoothはカメラの電源が入っていればスマホと常時つながり、いつでもスマホをワイヤレスリモコンとして使えるほか、スマホからカメラにリクエストを出せば自動的にWi-Fiで接続して撮影した画像の転送ができる(カメラ側を通信モードにする手間が不要)。

 キヤノンはBluetoothで常時つながることで、カメラをバッグに入れたままでもスマホの操作だけで写真を転送できるというが、そのとき「カメラの電源はオンになっていること」という条件がつく。常時接続ならカメラの電源がOFFでもスタンバイしててほしいと思うが、まあそれ以外はカメラ側の操作なしで写真が転送できるのは便利だ。

 まあそんな感じで、イマドキのカメラとしては電子シャッターに未対応、USB充電に未対応などいささか保守的ではあるが価格も性能や使い勝手を考えれば非常によくまとまったミドルレンジのミラーレス一眼だ。

 ミラーレス一眼を主力カメラとして使いたい人にはレンズラインアップなど足りない点も多いが、EOSユーザーがサブカメラとして持つ、あるいはミラーレスならではの軽快なカメラが欲しいなら悪くなさそうだ。

最終更新:6/8(木) 14:37
ITmedia LifeStyle

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