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【二宮寿朗の週刊文蹴】大迫を生かし自分も生きた本田

6/9(金) 12:06配信

スポーツ報知

◆キリンチャレンジカップ2017 日本1―1シリア(7日・東京スタジアム)

 7日の国際親善試合、日本代表対シリア戦は1―1のドローに終わった。13日のW杯アジア予選、イラク戦へこの一戦をどう見るか。二宮寿朗氏がコラム「週刊文蹴」で迫った。

 どんなボールもマイボール。8日付本紙の「ハリル・ジャパン総チェック」にあった大迫勇也の寸評である。言い得て妙だ。

 デュエルに強いシリアの守備陣が2人掛かりで来てもびくともしなかった。海外組の中ではひときわコンディションのいい大迫を使って、いかにゴールに結びつけるか。ボールを収めた次、彼にはパスセンスもある。だが前半はボールを受けた回数自体少なく、周りのフォローも少なかった。言葉にするなら孤軍奮闘。「どんなボールも…」の寸評は、逆に言えばチームとしてその先を生み出せなかったことを指摘してもいる。

 試合後、大迫は険しい表情で報道陣の前で、このように語っている。「(前半は味方との)距離が遠かった。僕がもうちょっと低い位置を取ったり、両サイドの選手がもうちょっと中に絞ったりというのが必要だったかなとは思います」

 ボールを奪う位置が定まらず、味方のプレスがかわされてしまうとどうしても重心は低くなりがち。ボランチは山口蛍1枚のため、インサイドハーフの今野泰幸、倉田秋もフォローに行きづらい。チームとしてフリーズした状態が続いた。

 後半はシリアの動きが落ちたこともあるが、途中からテストした本田圭佑のインサイドハーフはヒットだった。大迫をフォローするように動き、ボールを受けてタメをつくることで周りを押し上げた。大迫を生かして、自分も生きる。相手をはがした大迫のパスを受けて、シュートに持ち込んでいる。「適距離」をつくって決定的な場面を捻出するクオリティーはさすがに高いと感じた。好調大迫の力を発揮させることが、テヘランでイラクから勝ち点3を挙げるポイント。攻撃を考えれば、チームのフリーズを解こうとした本田のインサイドハーフ起用も十分にあり得る。(スポーツライター)

最終更新:6/9(金) 12:29
スポーツ報知