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たばこをやめた肺がん患者が語る 受動喫煙「被害者にも加害者にもしないで」

2017/6/8(木) 6:06配信

BuzzFeed Japan

飲食店内での原則禁煙を目指す健康増進法改正案が自民党の根強い反対で宙に浮いている。BuzzFeed Newsは、受動喫煙の加害者と被害者両方の立場を経験した再発肺がん患者の女性(50歳代半ば)の切実な声を聞いた。【岩永直子/ BuzzFeed Japan】

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50歳で肺がんと診断 「たばこを吸っていたせいだ」

肺がんと診断されたのは、50歳の時です。手足のむくみや関節痛が続き、「更年期障害かな」と思って検査を受けたら、初期の肺がんが見つかりました。

実は私、20歳からずっとたばこを吸っていたんです。父も喫煙者で私や姉が幼い頃から目の前でたばこを吸っていましたし、若い頃やっていた美容師の仲間はみんな喫煙者。たばこに抵抗感はなく、私も吸うのが「働く女っぽい」という憧れがあって、自然と吸い始めました。

20年以上1日1箱ペースで吸っていたのですが、2010年に300円のたばこが410円になる値上げがあったでしょう? 1000円で3箱買えていたのが2箱しか買えないなんてアホらしくなって、禁煙外来に通いました。

喫煙者って病気です。自分の意志では絶対やめられないのがわかっていましたから、禁煙薬をお医者さんに出してもらって、ようやくやめられました。その4年後に肺がんと診断されたんです。「ああ、たばこを吸っていたせいだ」と後悔しましたね。

たばこの煙がいっぱいの飲食店に手術後復職

診断される3か月前から、公共施設の中にある喫茶店でパートをしていました。カウンター席が8つあるだけの小さなお店です。原則禁煙の施設の中で、喫煙ルーム以外で唯一喫煙できる場所でした。お客さんはみんなたばこを吸い、煙がもうもうでした。

私は業務用の換気扇の前で調理もしていましたから、店内中の煙が集中して吸い寄せられる場所で働いていたことになります。それでも病気になる前は、「煙いな」とは思っても、「そんなものだろう」と気になりませんでした。

ところが肺がんの手術後、復職すると、煙の側にも近づきたくなくなりました。マスクをつけて店に立ちましたが、どうしても煙は防げないし、煙を吸うとそのまま体に悪さをして再発するのではないかと怖くてたまりません。煙の匂いを感じるだけで死が頭をよぎりました。

店を辞めて別のところを探そうかとも考えましたが、ただでさえ50代の職探しは難しい。肺がんの手術で肺の一部を取って重いものが持てないし、職場で配慮してもらうためには、病気のことを隠すわけにもいきません。特に就職に有利な資格を持っているわけではない身では再就職は厳しいだろうと思いました。

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最終更新:2017/6/8(木) 6:06
BuzzFeed Japan