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《ブラジル》USP=アニメから文化全般に関心深め=学術報告会で日本研究発表

6/8(木) 6:53配信

ニッケイ新聞

 サンパウロ州立総合大学の日本文化研究所で4月26日、大学院生による「学術研究報告会」が開催された。同院生には年に1度、研究を発表する機会があり、30人ほどが日本文化や歴史について日ごろの研究の成果や進捗を報告した。
 聖州マイリンケ市出身のヒカルド・ベイラ・ベルトルドさん(30)は、同市で活躍する6人の日系政治家について調べた。「彼らはマイリンケのインフラや教育の向上に大きく貢献した」と見ており、「どのように市民から支持を得て選出されたのか、議会でどんな役割を果たしたのかを、さらに深く調査するつもり」と研究の展望を示した。
 大学ではデザインを専攻していたラリッサ・カステリアニ・マリニョ・ファルコンさん(26)は、1917年から23年にかけての「ブラジル時報」や「聖州新報」などの邦字紙の挿絵や図柄に着目。「同時代のフランス芸術の影響が見られる」との観点からだ。
 「日本移民によって作られた邦字新聞が、どのようにフランス芸術の要素を取り入れたのか研究を進めている」と話し、「今後は、比較研究のために、同じ時期の日本や外国の新聞にも、調査範囲を広げたい」と意欲を見せた。
 研究報告を行なった院生の多くは、リカルドさんとラリッサさんと同じく非日系人。二人に日本の文化に関心を持ち始めたきっかけを尋ねると、答えはやっぱり「アニメ」だという。
 リカルドさんは当地で放送される日本のアニメに慣れ親しんでいて、後に日本の伝統文化や歴史に関心を持つようになったという。
 ラリッサさんは今までに観たアニメ作品は100本以上というかなりのオタク。5年前から合気道を初め、今では黒帯(初段)一歩手前の茶帯まで上り詰めた。
 アニメをきっかけに、最高学府で日本文化の研究者が多数生まれている。漫画アニメほど日本文化への「入口」としての重要な役割を果たしているものは少ない。
 その他、戦前日本の洋装や、浮世絵と外国の絵画について研究した学生もおり、来場者は興味深い様子で報告を聞き入っていた。

最終更新:6/8(木) 6:53
ニッケイ新聞