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自費出版の写真集『あだち工場男子』、発売1カ月で500冊 予想上回る売れ行き

6/8(木) 15:54配信

日刊工業新聞電子版

■働く姿、足立区をPR

 東京都足立区の金属から医薬品までさまざまな業種の町工場26社29人の若手男子を対象にした写真集『あだち工場男子』が好評だ。発売後1カ月で500冊販売と、1、2年以内の目標の半分をすでに達成。出版社の予想をはるかに上回る売れ行きだ。しまや出版(東京都足立区)の小早川真樹社長に、出版のきっかけや人気の理由などを聞いた。

―出版のきっかけを教えて下さい。
 「主に同人誌を印刷・製本しており、本作は弊社の自費出版物として初めて。足立区は大田区に次ぐ都内第2位の工場数にもかかわらず、その事実が意外と知られていない。足立区の製造業を表すシンボリックなものを作れればとの思いから、製作するに至った」

―製作期間と苦労した点は何ですか。
 「5、6年前から企画は立てていた。昨年の今頃に東京商工会議所の足立支部の方と話し、取材先を紹介してもらってから企画が進んだ。5カ月かけ取材・撮影を行い、2カ月ほど編集に費やした」

 「取材はカメラマンと商工会議所の担当者と私の3人で、編集は社内の編集者と社外のデザイナーと私の3人で行った。写真も1社につき多い時は1000枚近くあり、その中から数点を選ぶ作業は苦労した。ただ、初めて町工場の中を見ることができ、非常に楽しかった」

■足立区内の書店でも販売開始

―ここまでの反響の理由をどう分析していますか。
 「意外性ではないか。大田区と工場男子の組み合わせなどはありそうと思うかもしれないが、足立区という点に面白みがあったのかもしれない」

―こだわりは。
 「写真を通じて『モノづくりをしているかっこよさ』を伝えられるよう心がけた。前半の写真集では、普段通りの工場の楽しい雰囲気を伝えたいと思っている。後半の会社紹介は中高生にも分かるよう意識し、私自身が執筆した。今は企業側の採用難や親たちの大企業志向が顕著。地元にも興味深い会社があることに気づいてほしい」

―販売と今後の展開はどうですか。
 「区内の町工場とネットの販売を主としていたが、区内の五つの書店でも販売を始めた。店頭の目立つところにポスターと一緒に設置してくれている店舗もある」
「他の地域や工場と女性の組み合わせも面白そうと考えている。まずは『あだち工場男子』を1部1部地道に販売し、町工場のイメージをポジティブにすべく足立の工場をPRしていきたい」