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業務停止中に患者診察 医師法違反容疑で夫婦逮捕 /市原

6/8(木) 11:13配信

千葉日報オンライン

 診療費の不正受給で有罪判決を受け、厚生労働省から業務停止処分を受けていた期間中に患者を診察したとして、千葉県警生活経済課と市原署などは7日、医師法違反の疑いで、市原市千種2の医療機関「高岡西洋医学東亜医学医院」の医師、高岡典子(57)と、夫で老人ホーム経営、利昌(60)両容疑者を逮捕した。

 同医院は、労災の治療を終えた患者が通院を続けているように装い診療費約475万円を不正に受給したとして、千葉労働局が2012年2月に労災保険指定医療機関の指定を取り消した。両容疑者は詐欺罪で懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受け15年1月に確定。厚労省は、同年10月15日から18年10月14日までの3年間、業務停止処分としていた。

 逮捕容疑は、共謀して昨年6月6日から同11月26日までの間、74回にわたり、15人の患者に対し問診や注射、レントゲン撮影、薬の処方などの医療行為を行った疑い。典子容疑者は「お願いしていた管理医師の先生の指示を受け、補助としてやっただけ」、利昌容疑者は「妻は法に触れるようなことは一切していない。なぜ逮捕されたのか分からない」と、いずれも容疑を否認している。

 同課によると、典子容疑者らは業務停止処分後、別の医師を管理医師として雇って市原保健所に届け出ていたが、昨年に2人が相次いで退職。その後も非常勤医師を雇うなどしていたが、ほとんどを典子容疑者が診療していた。

 昨年6~11月の患者数は1132人、受け取っていた診療報酬は約2479万円にのぼる。この間、典子容疑者は登録した医師の名前を使ってカルテを作成し、正規の診療報酬を請求していたという。県警は2人が診療報酬を不正に受け取ったとみて、詐欺容疑でも調べている。

 利昌容疑者は診療所や鍼灸(しんきゅう)院、在宅介護や老人ホーム、医療法人グループの業務全体を統括。職員からは「オーナー」と呼ばれ、レセプト(診療報酬明細書)のチェックや採用面接、朝礼時の指示などを行っており、県警は実質的経営者と判断した。

 昨年5月ごろから保健所に相談が寄せられるようになり、保健所は同8月と11月に同医院の立ち入り検査をしていた。

 千葉日報社の取材に同医院は「取材には対応できない」と答えた。16年夏に健康診断を受けた近くの男性(22)は「患者さんもちらほらいた。前の事件はなんとなく知っていたが業務停止は知らなかった」。近くに住む会社員女性(36)は「16年の7月に腹痛で病院に行ったら典子先生が診察し、受付と会計も1人でやっていた。業務停止中と聞いていたが、普通に営業していたし、薬も処方してもらった」と話した。

 同医院には内科、小児科、リハビリテーション科などがあり、1999年に開設され、2003年に医療法人化していた。