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錦織のマレーに対する不安定な敗戦は、彼の〈今〉の反映 [全仏テニス]

6/8(木) 17:04配信

THE TENNIS DAILY

 フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート)の大会11日目、男子シングルス準々決勝。

絶好のスタートを切った錦織がマレーを苦しめるも、集中力の谷間から変わった風向き [全仏オープン]

 錦織圭(日清食品)の全仏オープンは、世界1位のアンディ・マレー(イギリス)に対する準々決勝での、ふさわしくも不安定なパフォーマンスで終わりを遂げた。

 6-2 1-6 6-7(0) 1-6というスコアとその負け方は、錦織が、いかに一貫性のない不安定なプレーをしてきたかを映していた。今季の全仏における彼のこれに先立つ4試合には、6-0で獲得したセットが2つ、0-6で落としたセットが2つあった。

 そんなわけで水曜日に錦織が、太陽は照っているが風が強いフィリップ・シャトリエ・コートにやってきたとき、そのようなことになるのでは、という推測はあったのである。

 マレーは第1セットで、錦織のスタイリッシュなショットメーキングの能力を味わわされ、それから第2セットでは錦織が不注意にポイントを献上していくのを目にすることなった。マレーは第3セットでタイブレークに突入したあとに、錦織が完全に崩壊し、第4セットの出だしで先に彼がブレークしたにもかかわらず、6ゲーム連続で落とす有様を目撃した。

「間違いなく、より安定性が必要だ。第1セットでのレベルをキープできるようでなければならない」と第8シードの錦織はコメントした。「今日はサーブの調子が悪くなっていたと思う。ファーストサーブをミスしすぎた」。

 一方、マレーは当然ながら、そこから実りを得られたことを喜んでいた。

「彼は非常に悪いタイブレークをプレーした。第4セット、また第2セットでもそうだったが、僕が彼をブレークしたゲームで、まずいプレーをしていた」

 マレーはミスを数え上げながら、こう指摘した。「今日の彼は通常よりも不安定だったかもしれない。でも、(風が強く)コンディションが難しかったことも少しは関係しているんじゃないかと思う」。

 それは、昨年の全米オープン準々決勝で、マレーに対し錦織が演じた5セットの末の勝利とは比べものにならなかった。その試合での錦織は、セットカウント1-2とリードされながら逆転勝ちしていたのである。

 この水曜日の準々決勝で屈辱的なタイブレークが終わったとき、落胆した錦織は、攻撃性をラケットに向け、ラケットを地面に叩きつけた。

 こうして彼のボディ・ランゲージは、ますますトラブルに向かってつき進んでいく選手特有のものになっていったのである。

 第4セットの出だしにマレーのサービスをブレークしたとき、カムバックの望みが膨らみかかったが、錦織はすぐさま自分のサービスゲームを落とした。彼はマレーに背を向け、コートの反対側の奥に、憂鬱そうな表情で立っていた。彼の両腕はコートの後ろの壁に当てられ、頭はその腕の間に落ちていた。

 そのとき、試合はまだ均衡を保っていた。まだ1-1に過ぎなかったのだから----それでも、あたかも錦織が自分のチャンスを逃したことを知っているかのように見えていたのである。

 そして彼は正しかった。そのとおりになったのだ。

 続く5ゲームは、マレーのウィナーと錦織のアンフォーストエラーの中で飛ぶように過ぎた。ひとりは攻撃的にゲームを支配し、もうひとりは敗戦に向けて後退していたのだ。

 マレーがふたたび錦織のサービスをブレークし、次の自分のサービスをラブゲームでキープして4-1としたとき、(エンドチェンジの際の)錦織はタオルで頭を覆い、前屈みになって座っていた。

 シンプルに、この日の錦織には決して挽回をやってのける力があるようには見えなかったのだ。元気がなく、ぼんやりし、マレーに対して11度目の対戦で9度目の敗北を食らうことを、ほとんど甘んじて受け入れているようにさえ見えていた。

 錦織は、グラスコートにプレーしにいく前に休息を必要としている。

「そうだな、数日休むよう努めるよ。今、ちょっとした体の問題を抱えているからね」と、27歳の錦織は言った。「まずは回復し、それからウィンブルドンに向け、準備を整えるよう努めたい」。(C)AP (テニスマガジン/テニスデイリー)

最終更新:6/8(木) 17:04
THE TENNIS DAILY