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京都・上賀茂の古民家で現代アート展

6/8(木) 9:00配信

Lmaga.jp

京都・上賀茂神社に程近い閑静な住宅街にある「瑞雲庵」(京都市北区)。築100年は経とうかという古民家を改装したこのスペースでは、西枝財団の助成により、毎年2回の美術展がおこなわれています。6月11日から始まる『アンキャッチャブル・ストーリー』もそのひとつです。

【写真】阿児つばさ《花路里》(Division、京都、2016年)展示風景

本展を企画したのは、キュレーター/アートコーディネーターの武本彩子です。彼女は近年ありがちな状況、つまり、分かりやすい言葉で編集された誰かの「ストーリー」が一瞬のうちに広まり、多くの人につかまえられ、裁かれ、たやすく加害者にも被害者にもなってしまうということをテーマに設定。誰かの言葉を安易に分かった気にならず、かといって無関心でもなく、「捕まえられないストーリー」と共に生きる態度や術を、美術作品を通して考えてみようと提案します。

出展アーティストは、牛島光太郎、田中秀介、阿児つばさの3名です。牛島は、路上に落ちているボタンやキーホルダーなどの雑貨を拾い集め、丁寧に配置し、一見無関係な言葉と組み合わせて提示します。田中は画家で、自分が見た情景を描いています。私小説的で、どこか謎めいた風情の作品です。阿児は、ふと出合った「わからない言葉やイメージ」を出発点に、ドローイング、写真、旅、リサーチ、パフォーマンスなど、様々な手法で思考を展開します。

いずれも見たらすぐにわかるタイプの作品ではありませんが、好奇心に蓋をせず柔軟な心で接すれば、きっと新たな気付きをもたらしてくれるでしょう。会場は京都の繁華街から少々離れていますが、出かける価値は十分あります。

文/小吹隆文(美術ライター)

最終更新:6/8(木) 9:00
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