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温暖化の影響? アオノクマタケラン枯れる

6/8(木) 17:00配信

紀伊民報

 和歌山県串本町の紀伊大島に自生しているアオノクマタケラン(ショウガ科)が枯れて少なくなっており、地元の人が心配している。同町須江にある京都大学フィールド科学教育研究センター紀伊大島実験所の梅本信也所長(57)によると、原因は動物や病気ではなく、温暖化が考えられるという。

 アオノクマタケランは県レッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている。湿った林に生える常緑の多年草で、高さは50~150センチ。葉はつやがあり楕円(だえん)形で、長さは30~50センチ、幅は6~12センチ。6月ごろから花が咲き、花の後には直径1センチほどの緑色の実をつける。実は冬に赤く熟し、鳥が食べる。

 紀伊大島では山に自生したものを切って出荷している。地元の太田勲夫さん(79)は、例年10月には所有する山で実と葉を切って束にし、正月用に出荷していた。5年ほど前から数が減ってきているのに気付いていたといい、今年は6月になっても、昨年からの実が赤くなってついたままで、葉も枯れたため、心配になって梅本所長に相談した。

 梅本所長によると、昨冬の冷え込みが厳しくなかったことが原因とみられる。冬でも実が赤くならなかったことで、新しい葉や花だけでなく、古い葉や実にも養分を使っており、株全体が小さくなって、枯れてきていると考えられる。新しい葉やつぼみが出てきているので病気とも考えられず、窃盗やイノシシによる被害とも違うという。

 対策として梅本所長は、12月中に実を切ってしまい、養分を来季用の花や葉に回せるようにすることを勧めた。紀伊大島の全体は救えなくても、出荷する人が世話をしている範囲で防ぐことができるという。

最終更新:6/8(木) 17:00
紀伊民報