ここから本文です

パチンコ業界に変革の波、カジノ法成立がもたらす光と影

6/8(木) 6:00配信

Bloomberg

東京都心から電車で約50分の郊外にある東村山市の駅前パチンコ店。時代劇の主題歌やアニメキャラクターの声が鳴り響く中、白髪交じりの女性が突然、怒りにまかせて台をたたき始めた。周囲は気に留める様子もない。数分すると女性は立ち上がり、男性従業員と談笑して店を後にした。近所に住むこの女性は10年来、店に通っているという。

「常連客が多い店なので、従業員と距離が近いんです」ー。パチンコ店を運営する「山水」の専務で、パチンコ産業に関わる調査研究をする一般財団法人「パチンコ・パチスロKAI総合研究所(PSKAI)」の福地光代表理事は語った。1920年代に最初の遊技機が登場して以来、パチンコは今も1万軒を超える店舗で年間1000万人が利用している。庶民の娯楽として人気を得てきたが、ギャンブル依存症対策の法律ができると、その在り方が変わるかもしれない。

カジノを含めた統合型リゾートの整備推進法(IR推進法)が昨年成立したことを受け、各党はギャンブル依存症対策法案の準備を進めている。与党案によると、法案成立後に政府が定める基本計画では、家族申告による利用制限や入場者の年齢確認などが議論される予定だ。規制対象には、これまで風営法上「娯楽」と位置付けられていたパチンコも含まれる。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、4月19日付のリポートで、法案成立により将来的に全てのパチンコ店に入場ゲートが設置される可能性があるとして、パチンコの参加人口、収益、遊技機販売などで縮小や減少を余儀なくされると述べた。同リポートによると、15年のパチンコ店収益は23兆2300億円、遊技機販売は9827億円に上る。

パチンコ・フィーバー

大正時代に子どもの遊技だったパチンコは、景品の駄菓子にタバコが加わるなどして昭和初期には大人にも好まれるようになった。戦後、幾度かのブームを経て、依存症が社会問題として認識されるきっかけになったのは、1980年の射幸性を高めた「フィーバー機」とそれに続く「CR機」の登場だ。

1/3ページ

最終更新:6/8(木) 6:00
Bloomberg