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ウォール街にトレーダーがいらなくなる、JPモルガンの取り組み

6/8(木) 7:03配信

Bloomberg

JPモルガン・チェースのトレーディング業務刷新の陣頭指揮を取る役割を与えられたデービッド・ハドソン氏は、マンハッタンのパークアベニューの同行本部48階にある役員室にジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)を訪ねた。リスクの大きいプロジェクトのために「5000万ドル(約54億7500万円)の追加予算」を勝ち取るためだった。

5分ほどの質問の後、ダイモンCEOはこれを認めた。こうしてハドソン氏(42)はプロジェクト第1号に取り組むことになった。資産運用会社や中小の銀行がトレーダーを雇わなくて済むようなトレーディングプラットフォームの構築だ。こうした企業の活動を検証すると、資金集めなど幾つかの業務以外はJPモルガンなどに委託すればよいことが分かる。

たとえば運用会社や地銀が「JPモルガンに電話をして1億ユーロの国債の購入を委託する。JPモルガンは市場で最良の価格を見つける。売り手がJPモルガンだとは限らないが、買い手の委託に沿ってJPモルガンが購入するので、運用会社や地銀はトレーダーを雇っておく必要はなくなる」というわけだ。

JPモルガンは金融危機後の銀行業界での勝ち組だ。同行のマーケット部門は主要な資産クラスの大半で上位3位に入る。これは、例えば新興企業が売り手と買い手を付き合わせるより低コストで容易な方法を作り出し、顧客が突然に取引のやり方を変えた場合、JPモルガンが失うものが大きいことを意味する。そこでハドソン氏の出番になる。プログラマー出身の同氏は、新しいテクノロジーが取引のパターンを変えるならば、そのテクノロジーを使っているのがJPモルガンであることを確実にする責任を負っている。

ロンドンを拠点とするハドソン氏のカナリーワーフのオフィスではホワイトボードにこの使命が書き付けられている。「新参の革新者が混乱をもたらす前に、自ら革新するのが古手の仕事だ」。

プロジェクト第1号である現在構築中のトレーディングプラットフォームは年内に稼働する可能性がある。

原題:JPMorgan’s Moonshot Man Wants to Help Wall Street Fire Its Traders(抜粋)

Hugh Son

最終更新:6/8(木) 7:03
Bloomberg