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返還後の離婚急増が隠れた要因、世界一割高になった香港の住宅価格

6/8(木) 9:08配信

Bloomberg

香港の不動産価格高騰は低金利や住宅不足、それに中国本土からの需要が主因とされているが、目立たない要因がある。離婚の急増だ。これが真犯人かもしれない。

香港が中国に返還されてから今年で20年。返還後に離婚と再婚に伴う需要が急速に増えたと、香港住宅業界のベテランアナリストで香港大学で研究をしているリチャード・ウォン氏は指摘する。

数字は雄弁だ。ウォン氏によれば、1976-95年は累計結婚件数が80万3072件、離婚は8万4788件、再婚が6万5794件。その後は2015年末までで、結婚が87万8552件だったのに対して、離婚は32万3298件に急増、再婚は25万6066件だ。

1997年の返還以降、香港・本土間の往来に関する規制の緩さが香港住民に本土で新たなパートナーを見つけることを促すという役割を担うことになった。本土では、住宅購入規制を逃れる手段としてあえて離婚する夫婦もいるが、香港における離婚急増はこれとは明らかに異なる。

ウォン氏は、香港の住宅計画当局は離婚の波を想定していなかったと分析。1976-95年に建設された新築住宅の累計総数は126万7335戸に達したが、その後の19年間は85万7378戸に減った。

離婚すると元夫、元妻共に公共住宅の空きを待つことになる。民間住宅が高過ぎて買えないためだ。デモグラフィアのデータによれば、香港で住宅を買うには家計所得(中央値)の18年分が必要。シドニーの12年やロンドンの8年半、ニューヨーク都市圏の6年弱を上回り、世界で最も割高だ。

元夫婦が二人とも本土で再婚相手を見つける場合もあるという。本土で再婚相手を見つけようするのは男性が大半だが、「越境して配偶者を探している女性は増えつつある」とウォン氏は話している。

原題:Extra Fuel for Hong Kong’s Property Frenzy: a Surge in Divorces(抜粋)

Enda Curran

最終更新:6/8(木) 9:08
Bloomberg