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中国の米国債買い、悪い予兆か-利回り上昇局面で保有増やす傾向

6/8(木) 11:05配信

Bloomberg

中国が米国債を再び買っている。ということは米国債は売り時なのかもしれない。

人民元の安定と資本流出抑制を目指して昨年は記録的な規模で米国債の保有を減らした中国人民銀行(中央銀行)は買いに転じており、買い増す用意もあるようだ。こうした流れに乗る米国債買いは魅力的な戦略に映るかもしれないが、中国、そして外貨準備の運用当局は歴史的に利回り上昇局面で米国債の保有を増やしてきた。

中国はなぜ米国債の値下がり局面で買うのか。そして中国が買っているというだけで債券を購入するのがなぜ悪いアイデアなのか。

米国債を保有している外貨準備は世界経済が健全な伸びを示し、市場がリスクオン環境にある時に拡大する傾向にあるためだ。人民銀がドルの保有を増やすのは中国の輸出が輸入を上回り、経常黒字を計上している時だ。また、通貨の急上昇を防ぐため、当局が対ドルで人民元を売っている時にも保有するドルは積み上がる。

中国の米国債買いは騒ぐほどの売りシグナルになるわけではないが、世界経済へのインプリケーションは見誤ることはできないと、バンク・オブ・アメリカの金利ストラテジスト、シャイアム・ラジャン氏は指摘する。

ラジャン氏は、「外貨準備の運用当局は利回り上昇で買いを入れる公算が大きい唯一の主体だ」と分析。「通常、世界経済の成長加速は外準の流入を示し、米国債の買いを示唆する」と話した。

確かに、中国経済は安定しつつある。製造業は再び拡大し、生産者物価は上昇、消費者の支出も続いている。資本流出に緩和の兆しも見られる。こうした状況が人民元の安定化に寄与し、中国の外貨準備は増えている。外貨準備高は1月に底を打ち、5月末時点で約3兆500億ドル(約335兆3000億円)まで回復。今年に入り中国の米国債保有が292億ドル増えた原動力となっている。

パイオニア・インベストメンツの通貨戦略ディレクター、パレシュ・ウパダヤ氏(ボストン在勤)は、「中国は恐らく米国債へのエクスポージャーが低水準にとどまっていると感じており、安心して買っている」と指摘。「中国は資本流出を防ぐ取り組みが成功し、人民元が安定してきたと自信を持っているとの見方をこれは示している」と述べた。

中国の記録的な米国債売りでも、安全資産への需要や米金融当局が世界経済の腰折れ懸念で利上げの先送りを迫られるとの観測から、米国債は値上がりしていた。

要するに、米国債を買う前によく考えた方が良いということだ。

原題:Here’s Why China Buying Treasuries May Be a Bad Sign for Bonds(抜粋)

Andrea Wong

最終更新:6/8(木) 11:05
Bloomberg