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メイ首相勝利でも英の政治不安強まる恐れ-離脱交渉の不手際で交代も

6/8(木) 11:54配信

Bloomberg

メイ英首相は政権基盤の強化を狙い、英下院(定数650)選挙の前倒し実施に突然動いたが、逆に立場を弱める恐れが出てきた。

保守党内部では、政権ポストに就いている議員や候補者らの間で、選挙キャンペーンの進め方のまずさを巡る反発が水面下で広がっている。最大野党・労働党に対する保守党のリードは7週間前には20ポイントを上回る勢いだったが、最新の世論調査では1ポイントまで縮小した例すらある。

こうした議員らが匿名を条件に語ったところでは、8日の選挙後にメイ首相が続投する場合でも、政権運営の在り方を変えるよう求める要求が自らのチームから直ちに噴出することが予想される。

メイ首相は欧州連合(EU)ときっぱりと関係を絶つ自らのビジョンの実現に向けて有権者から負託を得たいとして、4月に総選挙の前倒し実施を表明。しかし、選挙キャンペーンの失敗を巡る保守党内部の反発によって、逆に選挙前よりも危険な立場に追い込まれることになりそうだ。そのような結果になれば、英国の政治不安を強めるだけでなく、今月開始が予定されるEUとの離脱交渉に臨む首相の立場を弱めることにもなりかねない。

メイ首相に批判的な党内勢力は、政策や戦略を決定する前に広く意見を求めず、一握りの主要な側近の助言に過度に依存する首相の政権運営を攻撃し、そのような状況を変える覚悟だ。高齢者の不評を買った社会保障政策などを巡るミスがこうした動きの背景にある。

ロンドン大学クイーン・メアリー校のティム・ベール教授(政治学)は、メイ首相の一連のミスについて、EU離脱交渉が今後難航するようなことになれば、首相にふさわしいかどうか保守党議員らがより速やかに判断することにつながると分析。「次期総選挙に向けて最善の指導者は誰かという問題を彼らは近いうちに考えるようになり、EU離脱交渉の不手際に備えることになるだろう」と指摘した。

BMGが実施した最新の世論調査の結果によれば、英保守党の支持率は46%、労働党は33%となり、英保守党が380議席と労働党(190)の倍の議席を獲得するとの見通しが示された。一方、サーベーションの世論調査では、保守党の支持率が41.3%、労働党は40.4%と拮抗(きっこう)。ガーディアン/ICMの調査によると、保守党支持率は46%、労働党は34%となっており、保守党が96議席の優位を確保することが見込まれている。 原題:Why Theresa May Could Be Damaged Even If She Wins U.K. ElectionU.K. Conservatives 46%, Labour 33%: Herald Scotland/BMG PollU.K. Conservatives 41.3%, Labour 40.4%: Survation PollU.K. Conservatives 46% Labour 34%: Guardian/ICM Poll(抜粋)

Tim Ross

最終更新:6/8(木) 11:54
Bloomberg