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「なくした受験票が見つかった」と個人情報を聞く詐欺も? 中国の受験シーズン

6/9(金) 6:10配信

ZUU online

中国2017年の「高考」(日本でいうセンター試験)は6月第2週に行われる。今年の志願者数は940万人である。これに対し教育部(日本の文部科学省)の集計によると、全国の大学本科(4年制)の募集計画は372万人で昨年より1万人弱増加した。本科に進めなかった受験生が専科(3年生)へ行くか、捲土重来を期す。とにかく1000万人近くが参加する一大イベントである。

教育部は政府の各関連機関に対し、騒音の抑制、衛生防疫、防暑などの「総合保障」をさらに一歩進めるよう要請した。

また教育部は同時に主役である受験生に対し、「4大流言に惑わされるな」という文書を公布している。それは中国の大学受験を象徴的に表す内容だ。

■今年の4大流言とは

●流言1
受験票を失くしたとき、あなたの受験票が見つかりましたなどのSNS短信を信じ、個人情報を教える。

●流言2
「英語改革教育部最新通知」によって2017年入試では、英語の配点が実は大幅に高くなっている。

●流言3
試験問題はすでに流失している。金を出せば買える。試してみるべきだ。

●流言4
試験後の採点においては、採点担当の教員は実は複数科目をまたいで採点している。


教育部はこれらの流言を全面否定し、プレッシャーを排して平常心で試験に臨むよう呼び掛けている。

■6つの詐欺

また教育部はこれら4つの流言の他に、受験生とその世帯主に対する「内部指示」と称し、数々の詐欺が襲い掛かかっているとして6例を紹介し、注意を呼び掛けている。

(1)偽メール

詐欺師は、偽メールを送り付け、受験生の身分証ナンバーなどを入手、名簿業者に転売したり、ネット詐欺に使用している。

(2)木馬詐欺

詐欺師は、受験生とその世帯主に〝役立つ″メールを送り続け、やりとりを続けながらより高度な情報、銀行口座ナンバーなどを得る。この過程を〝木馬程序″と言う。

(3)一芸特待生詐欺

詐欺師は、芸術や体育などの特待生になれると偽り、手数料などを騙し取る。

(4)入試担当者を偽称

詐欺師は、入試担当や軍隊の幹部を名乗り、やはり特待生を志願しないかなどと誘い、金品を詐取する。

(5)偽合格通知

詐欺師は、郵便局を通じて偽の合格通知を届け、入学金や学費を騙し取る。

(6)成績優秀特待生詐欺

一部の詐欺師は、大学の内情を知っていると吹聴し、両親が特待生を志願するように仕向ける。各段階において、さまざまな報酬を要求する。

■大学入試も現代中国の縮図

日本の文部科学省が、受験生に向けてこのような通達を出すだろうか。そう考えてみればれば、中国の恐ろしさがよく分かる。大学受験は詐欺師にとって絶好の草刈り場である。その背景には少しでも利を求めようとあがく両親たちがいる。まさしく現代中国の縮図である。

中国の受験生はこのように、学科試験と同時に実社会の恐ろしさも学んでいるわけである。効率のよい実習、または通過儀礼といえるのかもしれない。交渉力の強いしたたかな中国人が育つ理由は、大学入試という大イベントから潜んでいた。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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最終更新:6/9(金) 6:10
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