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阪神・福留、待ってたで!25打席ぶり安打&激走でチームけん引

6/9(金) 7:00配信

サンケイスポーツ

 (セ・パ交流戦、オリックス2-3阪神、3回戦、阪神2勝1敗、8日、京セラ)待ってました!! 阪神は福留孝介外野手(40)が自身25打席ぶりの安打となるタイムリー&激走でチームをけん引。オリックスに3-2で勝利し、関西ダービーを勝ち越した。交流戦開幕3カード連続勝ち越しで、首位広島を2ゲーム差追走。復活の4番とともに、博多に乗り込む!!

 抜けた。ついにトンネルから脱出した。遊撃右を鋭く抜ける打球をみながら福留は言葉にならない何かを叫んでいた。一塁に到達すると、ようやく白い歯がこぼれた。苦悶から解き放たれた。

 「そういうこともあるでしょう。(走塁も)普通でしょう」

 試合後、多くを語ることはなかった。試合中には「みんなが形を作ってくれてまわってきた打席。後ろにつなぐこと、走者をかえすことだけを考えてました」と広報に話したが、球場を離れる際には、もう次を見すえていた。周囲の歓喜や安どは肌で感じながらも、緊張の糸を緩めなかったのは経験豊富な40歳の主将ならではだった。

 ディクソンをKOする一打は2-1で迎えた六回の第3打席だ。糸井が歩き、上本が送る。高山が一ゴロで二死三塁。一塁が空いている状況で相手は外角攻め。3球目のスライダーを素直にとらえた。25打席ぶりに灯した「H」ランプは貴重な追加点。直後には2年ぶりの盗塁を決めた。

 背中でチームを鼓舞した。0-1の二回は先頭で四球を選ぶと、原口の右前打で三塁を陥れる激走。同点を演出した。

 6月に入り、快音から遠ざかった。1日のロッテ戦(ZOZOマリン)から、この日の第2打席まで24打席連続無安打。阪神移籍後自己最長を更新した。アップ時にはトレーナーに足を入念にマッサージしてもらい、バットも軽量のものに変更。フリー打撃では逆方向にコンパクトなスイングを繰り返した。

 復活を届けたい人がいた。2008年に引退したミズノ社のグラブ名人、坪田信義氏(84)。60年間の職人生活に終止符を打った後、大阪・都島区内で愛孫らとの日々を楽しむ恩人が、6日に激励に訪れてくれた。メジャー移籍直前の中日時代に「イチローさんと同じものをお願いします」と嘆願し、軽さ、柔らかさ、開きやすさの3本柱の相棒を作ってもらった恩人。ベンチ裏で握手し、最敬礼。坪田氏は「家の近くにおいしい焼き鳥店があるから、今度、ぜひいこうか」と優しく誘ってくれた。どれだけ苦しくとも、みんなが応援してくれていた。

 交流戦3カード連続勝ち越しで貯金を11とした金本監督も「孝介に僕はホッとしましたね。年に1回はそういうのがあるもんだし、僕はそう思っていたけど、やっぱり心配は心配しますわね」と親心をのぞかせた。

 いよいよ9日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)から西武、楽天とパ・リーグ上位3球団との対戦が始まる。

 「これから上位チームとあたるんで頑張っていきます」と指揮官。大一番に4番が間に合って、関門海峡を渡る。12年ぶりのリーグVを目指す、猛虎の本気度をまずは鷹に証明する。