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ファンと一緒に、歩み始めた第2章。 「Megumi Nakajima Live 2017 “Love for you”」レポート

6/9(金) 12:05配信

M-ON!Press(エムオンプレス)

6月4日、品川ステラボールにて「Megumi Nakajima Live 2017 “Love for you”」が開催。フロアもステージも一体となって楽しみ盛り上がり尽くしたこの日のライブは、中島愛の歌手活動再開後初のワンマン・ライブにふさわしいものとなった。

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今や遅しと開演を待つ、オールスタンディングのフロア。そこに、Aの音を取るストリングスをきっかけにしたinterludeが流れ始め、徐々にオーケストラ調になり広がりを持っていく。それはまるで、久々のワンマンの舞台を前にしたチューニングが、改めて行われているようでもあった。その音が止んだところで、グロッケンの音色が流れ出し、リズムがついたところで観客のクラップに乗せてバンドメンバーがパートごとに登場。位置についたところでそのセッションに参加し、世界が1ピースずつ構築されていく。

そのまま「最高の瞬間」のイントロに移行したところで、最後に要となるピース・中島愛がステージ中央の階段上に登場。「お待たせー!」とフロア全体に呼びかけ、笑顔で歌い始める。今の彼女に非常に接近した歌詞にこのタイトルにと、まさにライブのトップバッターにうってつけで、一気に高まったオーディエンスとこの瞬間を共有しようと、リズムに合わせて軽快に跳ねたりDメロ明けには「聞かせてー!」とコールを煽ったりと、久々のワンマンを最初から楽しんでいく。
そして笑顔で歌いきったところで、今度は「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」でさらにボルテージを上げにかかる。メインステージに降りた中島は、この曲らしく表情豊かに歌いつつ、曲中にフロアを指差したりステージ両端まで赴いたりと心も体もさらに観客へ接近。ラスサビ、「あなたに」でさーっと場内をさらい、観客全員に「決めた!」中島は、ブラスの映えるゴージャスなナンバー「宇宙的DON-DOKO-DON」へ。自ら作詞にも携わったこの曲では、一転その表情にほのかに切なさも浮かばせる。またサビではファルセットも用い、コーラスとともに美しいハーモニーも響かせていった。

そんな中島、曲明けには大歓声にびっくりしつつ、うれしそうにその歓声に応える。そして「みんなが幸せでいっぱいになれるような、『今日来てよかったな』っていう日にしたいと思います!」と意気込みを語ると、今日のセットリストがほぼ自らのヒストリーを追っていくような順であると説明。早速「大切な、ふたつあるデビュー曲のうちのひとつ」と紹介された、「天使になりたい」からステージ再開だ。
凛としつつも、どこか柔らかさを併せ持ったオンリーワンの歌声響く、“中島愛”の出発点。それを歓迎するかのような歓声とペンライトの光に触れ、2サビ明けの間奏ではその光景に満足するかのように、再び微笑みがあふれる。続くポップなナンバー「Be MYSELF」では、冒頭のファルセットで雰囲気を一気に陽転させる。今度は少々アイドルチックに、サビ前のセリフや振付などにキュートさ成分高めのパフォーマンスだ。そこからまた雰囲気を変え、ロッキンさの前に出る「Sunshine Girl」へ。タイトル通り夏にピッタリの爽快感のあるこの曲では、サビでの腕を回して下ろすフリやサビ終わりの左右の腕振りが、さらに場内に一体感をもたらす。中島の歌声もそれに沿うようにさらにノッていき、間奏ではコーラスと再びハーモニーを奏でていった。

ここまで3曲は、1stアルバム『I love you』の収録曲。リリースから年月が経ったこのアルバムの楽曲が浸透していることに、中島は再び喜びをあらわにする。そして復帰してからの半年を「実感があるようなないような……でもとにかくうれしい気持ちでいっぱいです。それしか言えない」と振り返ると、年代を少し進めて、2ndアルバム『Be With You』の頃の優しい楽曲ゾーンへ。

その幕開けを飾るのは、ミドルナンバー「メロディ」。イントロで観客から自然とクラップが起こったこの曲で、中島の歌声にも少々あたたかみが増し、落ちサビではしゃくりも使ってより深い感情を伝える。また後奏での、ギターパートとユニゾンするかのようなスキャットも聴きどころで、最後まで目も耳も離させない。さらにもう1曲のミドルナンバー「パンプキンケーキ」は、彼女のかわいげがこの日いちばん引き立ったポイント。楽曲全体を通してはもちろんだが、それが顕著に出たのはサビの歌声の入り方、加えて歌声が絞られる落ちサビも、また愛おしい。
その後は、2曲続けてのバラード。まず1曲目「恋」を、切なく歌い上げる。サビへはファルセットで儚く入り、そこから徐々に歌声がクレッシェンドしていきラストには気持ちがあふれ出るかのような強さの出る、心の動きのはっきりわかる歌声の魅せ方も見事だ。また、続く「神様のいたずら」では、西脇辰弥(Key)のハーモニカがイントロの主旋律を取ると、アコースティック風のアレンジで披露。中島の歌声の豊かさを活かすようなアレンジを背負い、彼女も優しく大切にひと言ずつを噛みしめるように歌い上げていく。これには観客もすっかり聴き入っていた。
そんな雰囲気もあってか、中島のMCもどこかゆったり。ここで自らが語ったような、特段決まりごとのない「気持ちよく聴いてもらえればいい」という空間を、自身も味わっているようだった。

と、続いては一転「盛り上がってほしいセクション」を、「TRY UNITE!」から始める中島。青に染まるステージとフロアが、もとより浮遊感を持つこの曲にさらなる無重力感を与え、その音と光の波にのるように、中島は難解過ぎるメロディをとらえて歌い続ける。そこからさらに加速し、疾走感のある「Wish」ではその勢いに影響されたか、拳を振り上げるオーディエンスも。この光景こそまさしく直前に彼女が語った、特段決まりごとのない音とともに楽しむ空間だったのではないだろうか。
そして曲明け、スネアの音に合わせてステージ上全員がクラップし、観客を巻き込んで「Hello!」のスタート。ミドルナンバーではあるが、随所でコールを轟かせる観客の声もあって、その高まりは一向に衰えることはない。ステージ上でも、Dメロ明けの中島の「1,2,3,4!」のコールに合わせて黒田晃年(Gt)と坂本竜太(Ba)がステージ前方へと飛び出し、視線でセッション! 会場全体で曲の隅々まで楽しみ尽くしていく。

ここまでの楽曲を収録した3枚のアルバムをMCで振り返った中島は、「アルバムも作っていきたいな」と発言。沸き返る観客の反応をもってスタッフに制作をおねだりしつつ、「自分なりのペースで、でも止まることなく活動をしていきたい」とも語っていた。

さて、ここからは活動休止前にゲストボーカルとして参加していた楽曲も織り交ぜたブロック。まずはラスマス・フェイバーのアルバム『We Laugh We Dance We Cry』より「AME (RAIN)」を、ライブ初披露。切なさもたたえつつ、楽曲中盤からは激しいドラムとともにダンサブルさを増していくという、コントラストも際立つ1曲だ。さらに続けて、今度は彼からの提供曲であり初英詞曲でもある「Flower In Green」を歌唱。サビでのコーラスと歌声とが溶け合う様子もさることながら、歌詞やタイトルに沿って緑や虹色のグラデーションでステージを彩る照明効果との合わせ技で、楽曲世界を構築していく。一方、続く「Raspberry Kiss」はライブ定番曲。クラップから幕を開けると、観客のコールもバッチリ。そのコールやサウンドに乗せて、中島もフリを交えつつ歌唱していく。また、そのサビやイントロでのフリもいずれも簡単なものであったので、初見の観客もきっと一緒に楽しめたはず。2サビ明けの間奏にはファンへの大きな投げキッスもあり、またも場内は沸いた。
そのまま階段上に登り、“livetune adding 中島愛”として完成させた「Transfer」を、のタイトルコールとともに歌い始める中島。スタイリッシュさの乗ったキーボードの音色をバックに歌声に力強さが宿っていき、そのボーカルは大サビ冒頭のサウンドのブレイクポイントで、より聴衆をひきつける。また、楽曲終盤でのベース・坂本の、ムーンウォークしながらのプレイも実に魅せるものだった。そしてそのまま階段上で歌唱を始めた「マーブル」では、再び歌声で楽曲の物語を描き出す。Aメロではロック感のあるサウンドの上をたゆたい、それがBメロで徐々に固まり行くと、サビで一気に突き抜けていったのだ。ちなみにここでは曲終盤に佐野康夫(Dr)のソロが挟まれたのだが、ここで本編ではメンバー紹介を挟まず、それぞれのプレイで魅せていく構成を取ったことに気づかされる。その、音を尊重したような構成にまたありがたさを感じさせられたところで、中島からの「もっと声出そう!」という言葉とともに、ライブは終盤へと突き進む。

その前に、ここまで5曲を踏まえて「今まで歌ったことのないような曲にもどんどん出会って、みんなに聴いてもらえるような未来にしたいです。今日がその第一歩!」と宣言。改めて復帰して半年間を「あっという間」と語り、「そう感じられたのは、こんなにたくさんの人たちが復帰してからも応援してくれているから」と続ける。そして、応援してくれている人や支えてくれている人へ「感謝して、感謝して、感謝しています」と、幾重にも言葉を重ねて強い想いを伝えてくれた。
その感謝を礎に進みだした彼女の“未来”への想いを、「またこうやってライブ会場で皆さんと会いたい!」という想いを歌声に込めたのが、この日のラストナンバー。彼女のリスタートの曲「ワタシノセカイ」だ。その想いを直接聞いてから歌われたこの曲では、彼女はしっかりと前を向いて、いい意味で様々なものを吹っ切って、自分のペースで駆け続ける――といった想いを、その歌声から確固たるものとして感じることができた。だからだろうか、最後まで彼女は観客に視線を配りながら、終始笑顔だった。

彼女の降壇からすぐ、会場にはアンコールを求めるクラップとコールが起こる。その声に応えて中島がステージに再び立つと、アカペラで歌いだしたのは「What ‘bout my star?」。これには会場から大きなどよめきが起こり、すかさずフロアは緑に染まる。そこからメドレー形式で彼女の“もうひとつのデビュー曲”「星間飛行」が続くと、観客の多くはあることを察したことだろう。そう、アンコールは“ランカ・リー=中島愛”曲のメドレーからスタートする、ということを。イントロと同時に歓声が上がって一気にフロアに熱が戻ると、場内全員で「キラッ☆」も決めて「虹いろ・クマクマ」へ。8分の6拍子とリズム難しめなこの曲だが、サビ前のフロアからのコールをの後押しを受けてまたも愛らしさを感じさせるパフォーマンス。続く「アナタノオト」でも「ドクン ドクン」という歌詞に合わせた手のフリに、その愛らしさが残る。そしてこのメドレーを閉じたのは「放課後オーバーフロウ」。イントロの得も言われぬ高揚感がフロアをさらに高め、その熱に後押しされるような形で、彼女はこの5曲を駆け抜けていった。
そしてそのまま、最後にもう1曲中島にとって大切な曲、「金色~君を好きになってよかった」を歌い上げる。タイトルコールとともに金色に染まったフロアに向けて、サビで「君を好きになってよかった」と歌う中島。続くコール部を合唱し返す観客。そこには確かに、想いのキャッチボールが存在していたように思う。また、落ちサビではステージから後方から逆光のように客席側に光が当てられていたが、この場面においてはそれは、ここに集った一人ひとりの表情を彼女により鮮明に見せようとしてのもののように感じられた。間奏では笑顔で「すごい、きれいだね。ありがとう!」とこぼした彼女、曲のラストには「ずっと一緒だよ!」とのエールを送り、「今日はありがとう! そして、デビューのきっかけになった『マクロスF』のランカ・リーにもありがとう!」と、ちょっとだけ涙ぐみながらもしっかり伝えきって、再度ステージを降りた。

すかさず挙がり始める「もう1回!」の声。すると今度は中島は、アレンジされたライブTシャツに着替えて再々登場。中央の階段を登りながら、フロアにそれを見せびらかしてみせる。
改めてバンドメンバーを1パートずつ呼び込み、紹介したところで、ダブルアンコール1曲目「ノスタルジア」へ。「すごく好きな、久しぶりに歌う曲」と紹介されたこの曲で、優しくもちょっぴり切ない歌声を響かせる。この曲でもまた彼女のファンへの想いが込められていたようで、終盤「『ありがとう』『ありがとう』」の直前にはサッと腕を広げて、会場全体に向けてその想いを染み渡らせていった。

さて、「ここにいる全員、大好きです!」との言葉に続けて、クライマックスに向けてフロアを再び煽る中島。なぜなら真のラストナンバーは、彼女がコール・アンド・レスポンスをしたくて用意した「愛はめぐる」だからだ。もちろんクラップとともにノッて楽しめる点も閉幕を飾るにふさわしい曲なのだが、紆余曲折を経てきた“今の中島愛”が歌うからこそより説得力を持ち、最後に置かれるべき曲のように思う。その言葉に彼女の歌声は最後まで力を与え続けていったが、そこには復帰後初ワンマンというこの日ならではの想いも込められていたことだろう。もちろん終盤には、その肝心のコール・アンド・レスポンスをフロアで区切り、自らの歌とフロアのコールをクロスオーバー。「みんなサイコー!」とシャウトし、場内一体のジャンプエンドで曲を終える。そのときの、この日一番の高さの彼女の跳躍には、やはり前向きな想いが込められていたようだった。

最後に「この日が来るまでいろんなことを考えてたけど、みんながプラスに変えてくれたと思います。ホントにありがとうございました! またぜひ来てください!」とメッセージを送り、中島はステージを締めくくっていった。

約3時間・23曲と大ボリュームのライブだったが、振り返ってみればそれは本当にあっという間。それは観ている側が、心から楽しませてもらったからに違いない。だからこそ、再び前を向いて歩み出した彼女がどう進んでいくか、このライブを通してさらにわくわくさせられた。なぜなら中島愛の第2章は、まだまだ幕を開けたばかりなのだから。

Photography By 能美潤一郎
Text by 須永兼次

「Megumi Nakajima Live 2017 “Love for you”」
2017.06.04@品川ステラボール
【SET LIST】
M1.最高の瞬間
M2.そんなこと裏のまた裏話でしょ?
M3.宇宙的DON-DOKO-DON
M4.天使になりたい
M5.Be MYSELF
M6.Sunshine Girl
M7.メロディ
M8.パンプキンケーキ
M9.恋
M10.神様のいたずら
M11.TRY UNITE!
M12.Wish
M13.Hello!
M14.AME (RAIN)
M15.Flower In Green
M16.Raspberry Kiss
M17.Transfer
M18.マーブル(Remix)
M19.ワタシノセカイ

<アンコール1>
M20.What ‘bout my star?@Formo~星間飛行~虹いろ・クマクマ~アナタノオト~放課後オーバーフロウ
M21金色~君を好きになってよかった

<アンコール2>
M22.ノスタルジア
M23.愛はめぐる

関連リンク
中島愛オフィシャルサイト