ここから本文です

NY市場サマリー(8日)

6/9(金) 7:21配信

ロイター

[8日 ロイター] - <為替> ドルが上昇。コミー米連邦捜査局(FBI)前長官の議会証言に市場が驚くような内容が見当たらず、安心感が広がった。ユーロは欧州中央銀行(ECB)の物価見通し引き下げを受けて値下がりした。

コミー氏は、自身を解任したトランプ大統領を批判したものの、米大統領選へのロシアの干渉疑惑を巡る捜査に司法妨害があったかどうかの判断は保留した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略グローバル責任者マーク・チャンドラー氏は「(証言内容に関して)前日に知り得なかった情報は何もない。わたしにとって、反応すべき要素はゼロだった」と話した。

一方ユーロは下落。ECBが物価上昇率見通しを引き下げたほか、将来のテーパリング(資産買い入れの段階的縮小)の議論はしなかったと明らかにしたことが響いた。

オアンダのチーフ通貨ストラテジスト、ディーン・ポップウェル氏は、ECBが示した今後の物価上昇率の軌道は市場の想定をやや下回り、ユーロを圧迫したと指摘した。

ポンドは、英総選挙の結果をにらみながら不安定な値動き。

<債券> 国債利回りが上昇した。この日はコミー米FBI前長官が上院公聴会で証言したがトランプ政権とロシアとの癒着を巡る疑惑について新たな情報は提供せず、市場の注目は来週予想されている米連邦準備理事会(FRB)の利上げに集まっている。

ジェフェリーズの短期金融市場エコノミスト、トム・シモンズ氏は「高官による違法行為の証拠は出てこなかったため、市場では警戒感が低下している」と指摘。シーポート・グローバル・ホールディングスのマネジング・ディレクター、トム・ディ・ガロマ氏は、予想される来週の利上げが市場のより大きな動意となっていると述べた。

金利先物相場は13─14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通りに利上げが決定される確率は100%であることを示す水準にある。

この日はECBが予想通り金融緩和策の維持を決定。ECBの決定、およびドラギECB総裁の発言を受け、朝方の取引で米国債利回りが低下する場面もあった。

<株式> S&P総合500種とダウ工業株30種が横ばい圏で終了、ナスダック総合指数は終値として過去最高を更新した。コミーFBI前長官の議会証言を受け、金融株やインフラ関連株などに投資する「トランプトレード」が復活した。

市場は、トランプ政権が捜査に左右されずに減税や規制改革の政策を推進できるかどうかを懸念していた。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニア株式ストラテジスト、スコット・レン氏はコミー氏の証言について「仮に暴露されるような情報が存在するのであれば、これまでの証言内容以上の発言が聞かれていただろう」と述べた。

セクター別では、S&P500金融株指数<.SPSY>が1.1%上昇。S&P建設・エンジニアリング株指数<.SPCOMCSE>は1.4%高、S&P建設・素材株指数<.SPCOMCEMT>は1.5%高となった。

ロス米商務長官は、国家安全保障に関する米鉄鋼業界への調査で国内の鉄鋼メーカーと消費者の保護を追求する方針を示した。これが追い風となってS&P鉄鋼株指数<.SPCOMSTEEL>は4.1%上昇した。一方、米国債利回りの低下に伴って公益株は売られ、S&P公益株指数<.SPLRCU>は0.88%低下した。

個別銘柄では、百貨店のノードストローム<JWN.N>が10.3%高。同社を支配するノードストローム一族のメンバーの一角が同社株式の非公開化を検討していることが明らかになった。

中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング<BABA.N>は13.3%上昇。同社は2018年度の売上高が45─49%増加するとの見通しを示した。アリババ株の15.5%を保有するヤフー<YHOO.O>は10.2%上昇した。

半導体のエヌビディア<NVDA.O>は7.3%高。同社株についてシティグループは強気の判断を示し、株価は長期的には300ドルに達する可能性があるとした。

<金先物> 金塊先物相場は、外国為替市場でドル高・ユーロ安が進行し、ドル建てで取引される金に割高感が強まったことから売られ、続落した。

ECBはこの日、インフレ見通しを引き下げる一方、ドラギ総裁が会見で、理事会では量的緩和を段階的に縮小する「テーパリング」については議論されなかったと発言したため、外為市場ではユーロが対ドルで下落した。

この日はコミーFBI前長官が上院公聴会で、ロシア政府による米大統領選介入疑惑をめぐる問題で証言したが、事前の報道内容通りでサプライズな発言が出なかったことから、相場にはさほど大きな影響を与えなかった。また、同日は英総選挙の投票も開始されたため、昼ごろからは投資家の様子見ムードも強まった。

<米原油先物> 前日の米エネルギー情報局(EIA)週報を受けた失望売りは一服したが、新規の買い材料に乏しく小幅続落した。

前日の清算値が5%超急落し、約1カ月ぶりの安値で確定した後、相場は小幅プラス圏をほぼ横ばいに推移していた。しかし、朝方になると売りが再燃し、一時は45.20ド ルまで下げ幅を拡大。武装勢力による攻撃で稼働停止に追い込まれていたナイジェリアの 主要送油管「フォルカドス」原油の輸出に対する不可抗力条項が解除されたとの報に加え、リビアの産油量も順調に増えつつあるとの観測などが重しとなった。

ただ、その後は売り買いが交錯し、相場は一進一退の展開。前日に公表されたEIA週報では、原油在庫が予想外に増加した上、石油製品在庫の積み増し規模も大きかったため、相場急落の引き金となった。しかし、同週報ではアラスカを除く米48州の産油量が18週ぶりに減少したことも明らかになったため、この日は安値圏で買い戻しが入り、相場を下支えした。

(※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

最終更新:6/9(金) 7:21
ロイター