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実は正統派の押し相撲 宇良は決して“曲芸力士”にあらず

6/9(金) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 相手の懐に入り込み、上からのしかかられるところを逆に足を取って後ろに反って倒す―――宇良(24)はまるでプロレスのリバース・スープレックスのような技「居反り」を引っ提げ、15年に角界入り。その身軽さは、まるで曲芸師か体操選手さながら。十両だった1月場所では、やはり珍手の「たすき反り」を決めている。

 アクロバット力士と呼ばれることもある宇良だが、ある親方は「決してイロモノ力士ではない」と話す。

「確かに跳んだり跳ねたりばかりが目立つが、宇良の根底にあるのは、れっきとした押し相撲。決まり手のうち、一番多いのが押し出しですからね。どんな体勢からでも反撃できるのは、強靱な下半身の粘りがあってこそ。ただピョンピョン跳ねて勝てるほど相撲は甘くない。代名詞の居反りは幕内にいる限り、見る機会はないでしょう。それは、誰よりも本人が理解している。入門時に105キロだった体重が、5月場所では137キロ。今後はトリッキーな相撲自体が減るのではないか」

 前相撲から3年で幕内に昇進し、5月場所は11勝4敗。スピード出世は木瀬部屋だからこそ、という声もある。

「木瀬部屋は自由な気風で、親方や兄弟子から理不尽にうるさく言われることもない。宇良も稽古後は都内のジムに通っていますからね。もし、他の部屋に入門していたら、部屋の伝統どうこうやらしがらみやらで、芽が摘まれていたかもしれない」(前出の親方)

 そのストイックぶりは徹底しており、「体に良くない」と、甘いものや酒も敬遠している。

 一方、報道陣を悩ませているのが、「マスコミ嫌い」という点。必要最低限しかしゃべらず、余計なことは一切言わない。話題性だけで注目、番付にかかわらず連日のように押し寄せるマスコミに辟易しているという。

▽うら・かずき
・本名は四股名と同じ
・1992年6月、大阪府寝屋川市出身
・173センチ、137キロ
・最高位は前頭10枚目
・関西学院大を経て、15年に前相撲でデビュー。中学時代はレスリングに傾倒していた