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中国「環境」報告、空気基準は75%の都市でオーバー 「咳は日本へ行けば直る」?

6/9(金) 17:30配信

ZUU online

中国環境保護部が「2016年中国環境状況公報」を発布した。官製メディアがその内容を伝えている。悪名高きスモッグは改善されたのだろうか。

■空気環境基準 最も空気の悪い10都市のうち6都市は北京を囲む河北省に

公報によると、全国338カ所の都市中、空気の環境基準値に達したのは84都市、全体の24.9%だった。他の254都市、75.1%はは基準を超えている。しかし年間の日数は、基準を満たした日数は78.8%、昨年より2.1%増えた。基準を超えた日数は21.1%だった。

新・空気環境基準を実施した74都市では、基準を満たした日数は74.2%、基準を超えた日数は25.8%であった。なお最も空気の悪い都市トップ10のうち6都市は、北京を囲む河北省にある。相変わらず最も危険な地域である。しかしPM2.5濃度は2015年比で9.1%減少したとされている。

■酸性雨 酸性雨率は平均12.7%

全国474都市の降水分析では、平均ペーハー値5.6以上の酸性雨の降った地域は、19.8%だった。酸性雨率は平均12.7%である。酸性雨の類型は硫酸型で、主要分布は長江以南、雲南・貴州高原の東である。これについては増えたとも減ったとも言及されていない。

■地下水と水道水 生活飲水水源調査811カ所(90.4%)で基準到達?

全国6124の地下水の水質観測点分析では、水質優良級10.1%、良好級25.4%、較好級4.4%、較差級45.4%、極差級14.7%であった。優良と良好は3分の1しかない。

しかし前述の338都市の897カ所の生活飲水水源調査では、811カ所(90.4%)で年間を通じ、基準に到達したとしている。

■生態環境 優と良で国土面積44.9%を占めた

全国2591カ所の地方観測点の生態環境分析では、優……548カ所、良……1057カ所、一般……702カ所、較差……267カ所、差……17カ所だった。優と良で国土面積44.9%を占めた。優良は淮河以南と東北興安嶺及び長白山地方に多い。

■森林面積 国土に占める森林覆蓋率は21.63%

中国全土の現有森林面積は、2億800万ヘクタールで、国土に占める森林覆蓋率は21.63%だ。また草原面積は、約4億ヘクタールで、国土の41.7%である。全国各地で各種の自然保護区が設定されている。クラスを問わずすべてを集計すると、全国では2750カ所の自然保護区がある。これは陸地に限れば、全土面積の14.9%に当たる。国家級に限れば446カ所、面積は9.97%である。

■異常気象 昨年は46回も局地的集中豪雨に

昨年は年間を通して46回の局地的集中豪雨に見舞われた。1961年以来4番めの多さだ。これは全国4分の3に当たる県・市に豪雨が出現したことになる。

豪雨災害にあった約100カ所の都市で、昨年の災害を2000年以降の平均値と比較すると、農作物被害面積14%、被災者27%、死亡者49%、倒壊家屋57%、直接経済損失は150%それぞれアップしている。また、かんばつも常態化し、被害面積は51%、被災者は80&増えている。

75%の都市で空気環境基準をオーバーしており、改善はまだまだである。咳き込む人に対し「日本へ行けば直るよ」という冗談もある。異常気象による災害も増えている。自然保護は継続性を欠き、掛け声だおれだ。

また中国は人を信じることのできない厳しい交渉社会でもある。自然環境も社会環境も、実に厳しいところだ。そこに生きる人たちの生命力は強じんである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

ZUU online

最終更新:6/9(金) 17:30
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