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宅配ボックス実験 再配達が平均8%に大幅減少

6/9(金) 17:40配信

ZUU online

パナソニックが福井県あわら市で行った「宅配ボックス実証実験」の最終結果を発表した。2016年12月初めから17年3月末まで実施されたもので、再配達率はボックス設置前の49%から8%に大幅減少した。それによって、労働時間が222.9時間削減された。

実証実験は、パナソニック エコソリューションズ社があわら市の「働く世帯応援プロジェクト」に参画して、共働き106世帯を対象にして開始した。実験期間4カ月の宅配状況について、モニター世帯にアンケート調査を行い、回答があった延べ417世帯(4カ月分)のデータが集計された。

■再配達率、労働時間、CO2排出削減など大幅改善

報告書によると、この期間の総配達数は2258回。1回で受け取ったのは1062回(47%)、宅配ボックスで受け取ったのは1013回(45%)だった。再配達率は49%(1カ月で283回)だったのに対して、設置後は平均8%(4カ月で183回)と大幅に減ったことが判明した。モニター世帯の94%が、宅配便の受け取りに関係するストレスが改善されと回答している。

あわせて、再配達頻度が改善されたことによって、宅配業者の労働削減時間(想定値)は約2230時間に達し、それによるCO2削減量の想定値(杉の木換算本数)は、465.9kg(33.3本)になったという。

■あわら市は全国に先駆けてボックス設置費用に補助金

実証実験の結果を踏まえて、あわら市は全国に先駆けて、宅配ボックスの設置費用の一部を助成する補助制度を創設することを決めた。全国で宅配ボックスが普及することの一助となり、再配達の解消とともに、CO2削減といった環境負荷の低減や、配達に従事する人々の負担軽減に寄与できるものと考えているという。

ちなみに実証実験で使われたボックスは、パナソニックの戸建て住宅用宅配ボックス「COMBO(コンボ)」シリーズ。「ハーフタイプ<前出し> CTNR4030RSC」と「ミドルタイプ<前出し> CTNR4020RSC」の2種である。押印・施錠が可能、電気工事不要で後付け設置できる。電気や電池は不要となる。6月1日に発売し、参考価格はそれぞれ6万6100円、7万7300円(税抜き)である。

■実証実験のCOMBOシリーズは人気商品

パナソニックは同日、「繁忙期を含めて約半年の定点観測でも、再配達率8%という劇的な結果が出て、再配達解消の1つの商材になりうることを実証できた」とのコメントを出した。またあわら市は「社会問題化している課題の解決に、全国の自治体に先駆けて関係することができて大変有意義だった」と述べている。

一方、流通経済大学の矢野裕児教授は「宅配ボックスは、社会経済的損失を小さくし、業者の効率的サービス提供につながり、利用者の利便性も高まる。宅配サービスを持続する重要なインフラになる」と語っている。

パナソニックの宅配ボックスは、業界を先駆けて長年開発してきた製品で、特にCOMBOシリーズは4月1日発売予定が、5倍の受注増で生産が追いつかず、6月1日受注・発売開始となった人気商品である。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

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最終更新:6/9(金) 17:40
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