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門中ハーレー、熱い戦い 一族Tシャツで結束 文字にこだわり 誇り懸け、全力レース

6/9(金) 15:00配信

琉球新報

 【糸満】旧暦5月4日のユッカヌヒーの前日に糸満漁港で行われる門中ハーレー大会。上位3チームが糸満ハーレーに出場できることから、門中の意地を懸けた熱戦が繰り広げられる。今年は5月28日に行われ、字糸満の40門中のうち12門中が参加。会場は門中ののぼりが並び、熱気に包まれた。中でも目を引いたのが工夫を凝らした門中のTシャツだ。

 「各門中の名誉と誇りを胸に精いっぱいレースに挑むことを誓う」と選手宣誓をした下茂(すむ)腹の上原立誠(たつなり)さん(38)。下茂腹は約10年前からハーレーのために毎年Tシャツを作っている。今年は黒地に白字の落ち着いたデザインだ。

 鮮やかなピンクが目立った赤比儀腹は襟付きのポロシャツがいいと今年、新調した。西澤聡さんは「若い人たちの要望で漢字から『AKAHIGI』に変えた」と説明。ピンク地に黒字と門中のマークが映える。

 「心」の一文字が際立つ玉城(たまぐすく)腹。玉城忍さん(52)は「心を一つにして頑張ろうと4、5年前に作った」と話す。門中行事や門中墓の清掃でも着用するそうだ。

 背中に白銀堂の「意地ぬ出(んじ)らあ手引(てぃーひ)き」の格言を記したのは、先祖が白銀堂伝説に由来する根人(にーっつ)腹。金城盛憲さん(63)は「沖縄の黄金言葉だが、自分たちも代々伝えなければならない大事な言葉なので10年ほど前、Tシャツに入れた」と言う。毎年色を変え、袖には前年のハーレーのタイムを入れ、記録更新を目指す。

 その他にも工夫を凝らしたデザインのTシャツやポロシャツが見られた。糸満市史の編さんに携わり門中に詳しい沖国大非常勤講師の稲福政斉さんは「沖縄の人はTシャツを作るのが好きだが、門中Tシャツは糸満だけで見られる。年々、生地やデザインが上等になっている」と語る。他の地域は門中対抗行事がなく、Tシャツを着る機会がないという。

 今年は根人腹、玉城腹、与那城腹が予選を突破。本選では与那城腹が勝利を収めた。門中ハーレー行事委員会の宮城健委員長(57)は「今年は幸地腹の4連覇を止めようと、例年以上に白熱した」と振り返った。

 本番の前日に繰り広げられる門中の熱き戦い。来年は糸満独特の雰囲気を楽しみながらエールを送ってほしい。(豊浜由紀子)

琉球新報社

最終更新:6/9(金) 15:00
琉球新報