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【全仏テニス】錦織「あと2試合戦えた」体力を引き出す心が足りず「安定感必要」

6/9(金) 7:04配信

スポーツ報知

◆テニス4大大会第2戦 全仏オープン ▽準々決勝 錦織圭1―3アンディ・マリー(7日、パリ・ローランギャロス)

 【パリ7日=大和田佳世】男子シングルス準々決勝で、第8シードで世界ランク9位の錦織圭(27)=日清食品=は、第1シードの同1位アンディ・マリー(30)=英国=に逆転負け。1―1で迎えた第3セットのタイブレイクで集中力が上がりきらず、ミスから崩れた。日本男子で1933年の佐藤次郎以来となる4強を逃し、4大大会制覇へメンタル面の課題が浮き彫りになった。

 何とか自分を取り戻そうとしていた。第4セットの第3ゲーム開始前、錦織はコート後方の壁に頭をつけて間をとった。「集中力を持続して攻撃的にできれば戦況は変わる…」。だが、分かっていてもギアは上げられず、世界ランク1位の壁、84年の歴史の壁に屈した。

 第3セットの後悔が頭の中を占めていた。第12ゲームをブレイクバックして持ち込んだタイブレイク。フォアが外れ、ラリーでバックハンドでネットにかける。踏み込んで打ったリターンはラインを越えた。「もったいないミスが続いて0―3になりネガティブになった」。揚げ句にダブルフォルト。1ポイントも取れず、ラケットを赤土にたたき付けた。

 第1セットは今大会初めて立ったセンターコートで躍動した。「すごく落ち着いて、的確に、これ以上ないプレー」でマリーを左右にゆさぶり、焦らずベースラインで打ち合い、じっくりと攻撃のタイミングを見計らった。痛み再発の不安を抱える右手首、ここまでの戦いで治療を受けた右肩、腰、4回戦で異変が見えた足。傷だらけとは思えぬ動きで先取した。

 だが、第2セットは別人だった。第1サーブが26%しか入らなかった。「焦りすぎた。耐えきれなくなった」。早い段階で勝負を仕掛けて決めきれず、逆に攻め込まれた。ミスも第1セットの6から13へ倍増。今季の戦いで何度も顔を出す、トップ選手らしからぬ戦いぶりに戻ってしまっては、王者に立ち向かえるはずもなかった。

 「あと2試合戦えた」体力を引き出す心が足りなかった。相手に圧倒されたわけではない。「チャンスはあった。自分に原因がある。安定感が必要」と分かっている。この後は芝へ舞台を移しウィンブルドン選手権(7月3日開幕)を待つ。4大大会制覇への最大の敵は、錦織自身なのかもしれない。

最終更新:6/9(金) 14:29
スポーツ報知