ここから本文です

「知らないし、自分は関係ない」福岡母子殺害 証拠隠滅のため放火しようとした可能性も 妻殺害容疑で警官逮捕、異例の事態

6/9(金) 9:51配信

西日本新聞

 福岡県小郡市小板井の住宅で母子3人の遺体が見つかった事件で、福岡県警は母親の中田由紀子さん(38)を殺害した疑いが強まったとして、夫で県警本部通信指令課巡査部長、中田充容疑者(38)を殺人容疑で逮捕した。福岡県警の警察官が殺人容疑で逮捕されるのは2例目。当初、無理心中事件とみられていた事件は現職警察官の逮捕という異例の事態に発展した。

⇒【画像】心中偽装、準備不十分か 目張りなく、母子3人殺害

 逮捕の記者会見で、久田誠警務部長は「職員が重大犯罪で逮捕されたことに対し、県民の皆さまに心よりおわび申し上げる」と謝罪した。

「知らないし、自分は関係ない」

 逮捕容疑は6日午前0~6時ごろ、小郡市小板井の自宅で由紀子さんの首を絞め、殺害した疑い。中田容疑者は「そのようなことはしておりません」と容疑を否認。また遺体で発見された長男で小学4年の涼介君(9)、長女で小学1年の実優(みゆ)さん(6)の死亡の経緯についても「知らないし、自分は関係ない」と話しているという。

 捜査関係者によると、由紀子さんが見つかった1階台所には油がまかれ、遺体のそばには練炭のようなものが燃えた跡があった。由紀子さんの肺から煙は検出されず、殺害後に燃やされたとみられる。県警は中田容疑者が無理心中を偽装した上、証拠隠滅を図るため放火しようとした可能性もあるとみている。

外部から侵入した形跡なく

 由紀子さんの指には何かをひっかいたような痕があり、爪から微物が見つかったことも判明。県警は微物のDNA型鑑定を進めている。

 6日午前9時すぎ、由紀子さんは1階台所で、子ども2人は2階寝室で死亡しているのを中田容疑者からの連絡を受けて自宅に駆けつけた由紀子さんの姉が発見。当時勤務中だった中田容疑者は姉からの連絡を110番扱いにしていた。

 県警は当初、子ども2人にひものようなもので絞められた痕があるとする一方、由紀子さんに目立った外傷がないとして無理心中事件とみていた。ところが司法解剖の結果、首を圧迫したことによる窒息死と判明。殺人事件と断定し捜査本部を設置した。

 中田容疑者は事件発覚後の事情聴取に「午前6時45分ごろに出勤した際、3人は寝室で寝ていた」と説明。ただ司法解剖の結果、子ども2人が同5時までに死亡していた可能性が高いことや、外部から侵入した形跡などもなかったことから中田容疑者が事件に関与した疑いが強まったという。

 中田容疑者は2002年に採用され、主に地域部門で勤務。昨年8月から県警本部通信指令課に所属している。県警は中田容疑者が由紀子さんを殺害した動機とともに、2人の子どもが死亡した経緯についても詳しく調べる方針。

=2017/06/09付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:6/9(金) 9:51
西日本新聞