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政府「未来投資戦略」、自動走行・ロボットに重点 超スマート社会の具現化狙う

6/9(金) 13:45配信

日刊工業新聞電子版

■AI・IoT、環境整備急ぐ

 政府は9日に成長戦略「未来投資戦略2017」の閣議決定を予定する。IoT、人工知能(AI)など先端技術を積極的に取り込み、次世代の社会像「ソサエティー5・0」を実現したい考え。自動走行やロボットなど重点分野を中心に、具体的な目標も掲げ成長を加速させる。第4次産業革命と称される社会構造の変革に向け、未来志向の戦略で産業界を先導する構えだ。

 重点5分野の「移動革命の実現」では、自動走行の実用化に向けた取り組みが目玉。2017年度中に新東名高速道路で開始するトラック隊列走行の実証を戦略施策に位置付ける。20年に後続無人での隊列走行を実現、22年に商用化を目指す。

 移動革命のほか、次世代モノづくり、医療・介護、インフラ強化など複数の重点分野で注力対象となるのが、ロボットだ。移動関連では飛行ロボット(ドローン)を用いた荷物配送の実現を目指す。一方、介護ロボットについては18年度の介護報酬改定で位置付けを見直し、導入しやすくする方針も示した。このほか、モノづくりを含む多くの分野でロボットが活用されるよう、導入業務を担うシステム構築(SI)人材を20年までに倍増させる計画だ。

 政府は、自動走行やロボットなどを進化させる重要要素としてIoTやAIに着目。技術革新や積極活用を促すため、環境整備を急ぐ。

 こうした戦略で目指すのは、「超スマート社会」のビジョンとして掲げるソサエティー5・0の具現化だ。先端技術の活用により、産業のみならず一般消費者の生活にも革新をもたらし、社会課題の解決につなげる考え。さまざまな領域にまたがる壮大な構想なだけに、今後綿密な省庁連携が求められる。

■生産性向上と人づくりに注目
【クラウドサービス推進機構理事長 松島桂樹氏】
 生産性向上と人づくりの取り組みに注目したい。生産性については、メッセージを正しく伝え、受け取らないといけない。生産性は投入と産出の量から割り出すものだが、今は投入を減らすことがイメージされやすい。同じ投入量で産出をどう増やすかも考えるべきだろう。また人づくりに関して言うと、これからは「考える人」がもっと必要になる。実行する人や知識のある人は部分的にロボットや検索エンジンに取って代わられるからだ。

■AI・IoT、課題は規制改革
【明治安田生命保険 チーフエコノミスト 小玉祐一氏】
 第4次産業革命は成長分野であり方向性として正しい。5分野全て重要だが、特にAIやIoTへの期待が高い。課題は、やはり規制改革だ。日本の規制は強く、例えば米ウーバーテクノロジーズですらも満足に活動できていない。民間企業はもうかると判断すれば投資をするので、環境づくりは重要。新サービスの試験的実施を認める「レギュラトリー・サンドボックス(規制の砂場)」は新たな試みで期待ができる。