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今年は「有機ELテレビ元年」 なんで?

6/9(金) 12:30配信

ニュースソクラ

有機ELテレビの発売続々、値下がり待ちがお得か

 家電メーカーが、高画質大画面の有機ELテレビを国内市場に続々と投入している。2009年の家電エコポイント制度で薄型テレビを購入した層の買い換え時期を迎えており、それなりの需要はあるとメーカー側はみているようだ。2017年は「有機EL元年」とも呼ばれているが、果たして今は買い時なのか。

 大型の有機ELテレビはこれまで、国内では韓国LG電子のみが販売しており、盛り上がっていなかった。しかし3月に東芝が、6月にソニーとパナソニックが相次いで投入することになり、一気に注目度が高まった。

 特徴は、液晶テレビに比べて薄くて軽い点だ。パナソニックによると、同社の65型の液晶テレビ(TH-65WT600)の薄さは5.3センチ、スタンドを含めた重さは43キロ。一方、同じサイズの有機EL(TH-65EZ1000)は薄さ0.67センチ、重さ27キロと格段にスリムになる。リビングでの壁掛けも容易だし、見栄えも良い。

 映像の表示方法はプラズマテレビと同じ「自発光方式」。黒色の表現に優れている。もちろん、フルハイビジョンの4倍美しい「4K対応」だ。

 大画面の有機ELパネルを製造・供給できるのは世界でLG1社のみで、東芝など3社ともLGから供給を受けている。だが「映像処理エンジン」は自社開発し、映像美を競っている。

 音響にもこだわっている。ソニーは画面自体を振動させることで音を出す構造を実現、パナソニックの最上位モデルは「テクニクス」の名を冠した高音質設計だ。

 ただ発売時の市場想定価格は65V型が80万~90万円程度、一回り小さい55V型が50万~70万円前後と、それなりに高価だ。エコポイントを契機に液晶テレビなどを買った人は6~8年が経ち不具合も目立つようになる時期だが、「どうしても手に入れたい人」以外は、もう少し待つのが賢明との指摘もある。

 一般に、家電製品は、発売からある程度時間がたてば「旧モデル」扱いとなり、在庫を処分するため大幅に値引きするケースが多い。価格ドットコムによると、LGの55インチモデル「OLED55B6P」は、2016年6月の「初値」は48万円台だったが、約1年後は21万円台まで下がった。

 2018年には、船井電機が有機ELテレビを投入する。船井は液晶テレビやブルーレイ製品について、家電量販最大手のヤマダ電機に独占供給する契約を結んでおり、この方針に変更がなければ、インパクトのある価格で勝負してくる可能性が高い。船井に引っ張られる形で、他社の価格水準が下がることも想定される。船井モデル登場後の価格動向が注目される。

 もう一つ、現行モデルには価格以外に「欠点」がある。2018年に開始予定のBS・110度CSによる4K放送を楽しむことができないことだ。対応チューナーを別途購入して取り付ければ済む話だが、それなら4K実用放送に合わせて投入されるであろうチューナー内蔵モデルを購入した方が、場所をとらなくて良いということになる。

 メーカーも量販店も、とりあえずのゴールを2020年の東京五輪に定めている。現在のテレビ市場全体での有機ELのシェア(金額ベース)は1%程度とみられるが、五輪特需の波にも乗って売り込みたいというのがメーカーの思惑で、BS・110度CSの4Kチューナー内蔵モデルをはじめ、ラインアップの充実も期待大だ。

長谷川 量一 (ジャーナリスト)

最終更新:6/9(金) 12:30
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