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TK from 凛として時雨×syrup16g【error for 0 vol.3】自らの命をもって歌う2組の共演

6/9(金) 20:00配信

Billboard Japan

 TK from 凛として時雨はこう語る。「syrup16gさんを初めて聴いたとき、こんなに命を削りながら歌う人がいるんだなあと、すごく衝撃的だったのを覚えています。ツーマンで出来るなんて昔の自分に話してあげたいくらいです」。

【error for 0 vol.3】写真(全11枚)

 2017年6月1日、東京・STUDIO COASTにて【TK from 凛として時雨 presents「error for 0 vol.3」】が開催され、対バン相手としてsyrup16gが出演した。彼らが「命を削りながら歌う」のだとすれば、TKは「命を研ぎながら歌う」といったところだろうか。表現方法は違えど自らの命をもって人の胸を打ってきた両者、この共演が実現したとあり、会場には大勢の人が詰め掛けた。

【syrup16g】“人生のランナーズ・ハイ”的な高揚感

 背後からの青い光に浮かび上がる3つの黒いシルエット。先に登場したsyrup16gのライブは、最新アルバム『darc』より、滑らかなメロディが痛みを優しく訴えかける「I'll be there」でスタートした。五十嵐隆(vo,g)なりの挨拶だろうか、<君が側にいないのを/誤魔化して来ただけなんだよ>と歌い上げる間にステージが少しずつ明るくなり、勢いそのまま、2曲目を演奏し終えたところで会場からは「誕生日おめでとう!」の声が。五十嵐はこの日で44歳。直前に「生きているよりマシさ」と歌っていたものの、ファンからの祝福には素直に「ありがとうございます」と答えていた。

 一度は「解散」の二文字で多くの人に稲妻のような衝撃を与え、2014年に「再結成」の三文字で黒い虹のような希望を繋いだsyrup16g。その後はアルバムを2枚リリースし、その都度ツアーを敢行するなど、空白の期間を埋めるかのような活発さはむしろ心配になってしまうほど。なお、五十嵐はsyrup16gの解散直後、ものの半年ほどで解散することになるバンド“犬が吠える”を結成したが、この日はその楽曲群より「赤いカラス」を披露した。

 不穏な雰囲気漂う「Share the light」では、歪んだギターを歌うように弾く五十嵐、16分音符で音階を上り下りするキタダマキ(b)、スネアやフロアタムが中心の淡々としたリズムを豪快に叩き続ける中畑大樹(dr)の見事な三角構図。サビでは背後、ステージ左右、会場上部などにあるライトが赤と緑に明滅し、その光源によってバンドの陰影がガラリと変わる。スローテンポのアレンジが利いた「回送」の1フレーズ、さらに「coup d'Etat」から「空をなくす」に移行すると、天井から降下した巨大なミラーボールが回転。syrup16gとは不思議な組み合わせにも思えるが、くるくる回る光のパーティ感と“人生のランナーズ・ハイ”的な高揚感のマッチングは見事なものである。

 疾走感あふれるナンバーで熱も上がり、「今日は僕の誕生日なんですけど、こんな素敵なライブに誘ってくれたTKとみなさん、どうもありがとうございます」と口を開いた五十嵐、再び叫ばれる「おめでとう!」の数々には照れ笑い。ラストには絶望から芽吹く投げやりな希望を掲げる名曲「リアル」を演奏した。ここでもライティングが効果的に使用され、最後の雄叫びで五十嵐一人に白いスポット・ライトが当たる。正に“圧倒的な存在感”。しかし彼らの受けた歓声もまた、その存在感に負けない圧倒的なものだった。

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最終更新:6/9(金) 20:00
Billboard Japan