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マグロ船に12年ぶり新人 20歳の担い手、初出漁 島挙げ見送り 大分県津久見市

6/9(金) 10:32配信

西日本新聞

 マグロ漁船の基地として知られる大分県津久見市の保戸島で、マグロ漁の新たな担い手が誕生し、8日、初めての漁に出た。保戸島出身で今春、津久見高海洋科学校(現海洋科学高)専攻科を修了した藤田康史郎さん(20)。藤田さんが乗船する漁船の船主大河浅利さん(67)によると、マグロ漁の後継者が生まれたのは12年ぶりという。

 藤田さんが乗り込んだのは第一豊栄丸(大河孝司船長、80トン)。2隻のマグロ漁船を保有する大河さんによると、船はマリアナ諸島沖の太平洋の公海上で主にビンナガマグロを狙う。航海日数は35日間で、乗組員は藤田さんを含めて10人。船長の孝司さん(36)の父親が船主の大河さんで、藤田さんはおいにあたる。

後継者不足や魚価の低迷などで減少傾向が続く

 初出漁のこの日は島のあちこちで島民が出港を見送り、岸壁に集まった人々から藤田さんに色とりどりの紙テープが渡された。

 大分県漁協保戸島支店によると、保戸島のマグロ漁の歴史は古く、1890(明治23)年にさかのぼる。太平洋戦争時に途絶えたが、戦後に復活。1980年にはマグロはえ縄漁船は167隻を数え、ピークに達した。現在は14隻で後継者不足や魚価の低迷などで減少傾向が続いている。

 それだけに新たな担い手に対する期待は大きい。藤田さんは小さい頃から漁師になろうと思っていたと言い、海洋科学校に進学。卒業後に2年間の専攻科航海コースに進み、大型船舶を運航するための国家資格の海技士(航海1~6級)3級の免許も得ている。

 初出漁に藤田さんは「不安が大きいが、自分がどれだけできるか試す機会であり、頑張りたい」などと語った。船主の大河さんは「とにかく無事で帰ってくれば」と念じながら、後継者として育っていけば将来は新船建造も、と夢を膨らませていた。

=2017/06/09付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:6/9(金) 10:35
西日本新聞