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早大、ミラーが全体の80%占めるMEMSスキャナー開発

6/9(金) 15:30配信

日刊工業新聞電子版

■HMD・内視鏡、3Dデバイス小型化に貢献

 早稲田大学理工学術院基幹理工学部の岩瀬英治准教授らの研究チームは、約1・5ミリメートル四方のミラーが全体面積の約80%を占める新型の微小電気機械システム(MEMS)スキャナー(走査装置)を開発した。ミラー面積を従来と同等にした場合、MEMSスキャナーのサイズを4分の1程度に小さくできる可能性がある。現在は2次元画像のみを映し出す内視鏡やヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)の3次元画像の表示や小型化につながる。

 岩瀬准教授らは、光の走査に使う可動ミラー部を支える支持梁(はり)の形状を工夫してT字型に作り込み、ミラー駆動に必要な複数の共振周波数を分離させた。

 これにより、一対の支持梁で単一の駆動部ながら、3自由度光走査できるようになった。従来は梁部が多重構造になっており、梁の面積が大きく、ミラー部は10―20%にとどまっていた。

 ミラーの面積を相対的に大きくすれば、スキャナーを小さく作り込めるため、スキャナーを搭載する内視鏡やHMDをより小型化できる。

 一般に3方向に動かすためには駆動部が三つ必要だが、単一駆動部で3自由度駆動させることにより、内視鏡などのほか、網膜投影ディスプレーといった用途でも3次元画像表示が見込める。

 MEMSスキャナーは近年、手のひらサイズの小型プロジェクターや、HMDなどに使われている。3次元画像の表示には、現在の2自由度から3自由度に拡張する必要があるが、従来は梁部の構造が複雑で大型化してしまう課題があった。