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燃費に拘ってきた自動車メーカーが新型モデルで燃費を悪化させた?その理由とは

6/9(金) 16:46配信

オートックワン

何故カタログ燃費を悪化させた?

クルマがモデルチェンジや改良を受けた時は、燃費数値を多少なりとも向上させるのが常識だ。燃費はユーザーの出費に直接影響を与えるから関心が高い。今はエコカー減税も実施され、燃費数値が優れていれば税金も安くなるため、各メーカーとも燃費に力を入れている。

JC08モード燃費を悪化させた新型車

ところが最近になってこの流れが変わってきた。2017年2月に発売されたマツダ 新型CX-5、同年5月に発売されたダイハツ 新型ミライースが、それぞれJC08モード燃費を悪化させたからだ。

CX-5では2WDのガソリン2.5リッターエンジン搭載車が、先代型の15.2km/Lから14.8km/Lに、4WDのクリーンディーゼルターボ搭載車は18.0km/Lから17.6km/Lに、それぞれ0.4km/Lではあるが燃費数値を下げた。

新型ミライースは、先代型は14インチタイヤ装着車のみで全車が35.2km/Lだった。それが新型で同サイズのタイヤを履いたX・SAIIIとG・SAIIIは、34.2km/Lに下げている。BとL(SAIIIを含む)は、新開発された低燃費指向の強い13インチタイヤを備え、先代型と同じ35.2km/Lを維持している。ミライースは60~80kgの軽量化を実施したが(比率に換算すると6~9%軽い)、燃費数値を据え置きか、あるいは悪化させた。

今になってなぜ燃費数値が悪くなるのか。その理由を新型CX-5の開発者に尋ねた。

「お客様が運転される状況はさまざまで、悪天候や渋滞に巻き込まれることもある。エンジンの設定がJC08モード燃費を重視すると、計測モードに合った走り方をすれば燃料消費量を抑えられるが、実際の走行ではムダにアクセルペダルを踏み込む頻度が増える。そうなれば燃費を悪化させてしまう。そこで新型CX-5では、実際の走行で過度にアクセルペダルを踏まない制御を行い、実用燃費を向上させた。Gベクタリングコントロール(ハンドル操作に合わせて微妙にエンジン出力を調節する)も、実用燃費に利いてくる。修正の操舵量が減れば、その分だけ抵抗を減らせるからだ。Gベクタリングコントロールは、走りを滑らかにすると同時に、環境性能も向上させる」という。

新型ミライースの開発者も、ユーザーから指摘されることの多いJC08モード燃費と実用燃費の格差是正を理由に挙げたが、別の観点の話も聞かれた。

「先代ミライースが発売された2011年頃は、燃費数値に対するお客様の関心がきわめて高かった。それが最近は穏やかになっている。高齢ドライバーによる事故が多発していることもあり、緊急自動ブレーキを作動できる安全装備に関心が集まった。パワー不足を感じさせない動力性能、乗り心地を含めた質感も重視されている」という。

2010年から2013年頃は、確かに軽自動車を中心に各メーカーとも激しい燃費競争を展開していた。2016年5月20日に掲載した「燃費/エコカー減税が追い詰め、三菱自が燃費偽装を行った4つの理由」でも述べたように、フルモデルチェンジから細かな改良まで、この時期にはさまざまな場面で頻繁かつ小刻みに燃費数値を向上させている。三菱自動車の燃費偽装問題の帰責性が同社にあることは間違いないが、その背景にはライバル車の度重なる燃費向上があったことも見逃せない。

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最終更新:6/15(木) 10:14
オートックワン