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「行政職は『するのが当たり前』と反応されがち」被災自治体職員、過重負担に 熊本市の産業医が警鐘

6/9(金) 11:25配信

西日本新聞

 熊本市役所の産業医、藤井可(たか)さん(37)が8日、「産業医から見た自治体職員の倫理-熊本地震対応を通じて」と題し熊本大で講演した。藤井さんは、災害対応に追われ強いストレスにさらされた職員たちと面談するなど支援に当たった。被災自治体の職員は「(自身も)被災しながら震災対応に就かなければならず、本人の健康や家族が犠牲になりやすい」と、警鐘を鳴らした。

 熊本市は昨年5月、職員約9千人を対象に心の健康に関するアンケートを実施した。産業医などは同9月までに、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や抑うつの発症リスクが高いとされた職員約300人に面談した。

被災者の対応の違いも比較

 藤井さんは面談やアンケートの結果から、業務の責任が重い中高年層や子育て中の若手職員が特にストレスを抱える傾向にあると指摘。高リスクの環境要因として、避難所での被災者対応▽窓口業務でクレームを受ける部署▽所属長の配慮不足▽業務量の差に対する不公平感-などを挙げた。

 さらに「疲れと苦情で倒れそう」「家のことが何もできない」といったアンケートの自由回答の内容も紹介。十分な休みを取れなかったり自身の生活再建に手が回らなかったり、過重な負担を抱える職員たちの実情を明かした。

 藤井さんは、消防士や医師などの専門職と行政職に対する被災者の対応の違いも比較。「専門職は感謝の言葉を受けやすいが、行政職は『するのが当たり前』との反応をされがち」との見解を述べた。

 講演会は研究者らでつくる熊本大生命倫理研究会が主催した。

西日本新聞社

最終更新:6/9(金) 11:25
西日本新聞

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