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氷河期後ライチョウ激減 富山大の山崎准教授がDNA分析

6/9(金) 5:00配信

北日本新聞

 立山・室堂平周辺のニホンライチョウが氷河期が終わった1万年前から約6千年前にかけ温暖化の影響で激減し、その後、生息数が回復したとする研究成果を、富山大理学部生物学科の山崎裕治准教授(46)らがまとめた。ライチョウのふんからDNAを分析し、遺伝子型の歴史的な変化を読み解いた。1万年前から個体数は減り続けてきたという定説を覆すもので、日本生態学会(東京)が発行する冊子「保全生態学研究」に掲載された。

 ニホンライチョウは国の特別天然記念物で絶滅危惧種。立山一帯には現在、約300羽が生息しているとされる。富山市ファミリーパークなどが人工繁殖に取り組んでいる。

 山崎准教授は研究室の学生や県雷鳥研究会と協力し、2013年から室堂平周辺でライチョウ50羽分のふんを集め、DNAを分析。その結果、立山のライチョウは、大きく三つの遺伝子型に分類されることを突き止めた。

 さらに詳しく分析すると、約4千年前から遺伝子型が多様化していることが分かった。遺伝子型の多様性と個体数には相関関係があり、当時の立山ではライチョウの数が増えていたことが推測されるという。

 准教授らは、氷河期が終わった1万年前から最も地球が温暖だった6千年前にかけて立山のライチョウが餌不足などによって激減、その後の環境の改善で増加に転じたと結論付けた。

 准教授は「ライチョウが厳しい環境を乗り越え、現代まで生き残ってきたことが分かった。遺伝子情報を分析した結果を、今後の繁殖事業にも生かしていきたい」としている。個体数の具体的な推移を今後特定していくという。

北日本新聞社

最終更新:6/9(金) 8:06
北日本新聞