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細胞高速培養の新装置 澁谷工業、再生医療用で導入へ

6/9(金) 2:04配信

北國新聞社

 澁谷工業(金沢市)は、再生医療用の新型バイオ3Dプリンターを開発した。脊髄や血管などの細胞を高速で加工・培養し、臓器を形成することができる。沖縄県などと連携して進める事業の一環で、将来的に新装置をヒトの臨床治療に導入し、再生医療の産業化を目指す。

 新装置は沖縄県を再生医療の産業拠点にする事業で、同県が澁谷工業に開発を委託した。沖縄高専や佐賀大、ベンチャー企業のサイフューズ(東京)も開発に関わった。8月に沖縄県内の産業支援施設への納入を予定している。

 バイオ3Dプリンターは、無菌環境で細胞の塊を積み上げて培養し、立体的な体内組織や臓器をつくる仕組みとなる。幅約2メートル、奥行き約4・5メートル、高さ約2・5メートルで事業費は約3億円。

 澁谷工業は研究用の従来機を発展させ、手作業では不可能な大量の細胞加工を迅速にできるようにした。細胞の培養速度は従来機の約4倍となった。ボトリング事業で培った無菌充てん技術を応用した。

 澁谷工業によると、沖縄県で今後、新装置を使って大型動物の脊髄組織を作り、移植する再生実験を行う計画がある。その後、ヒトの幹細胞を使った組織の作製や移植に取り組み、臨床治療で実績を重ねる考えである。

 同社が2011年に作った従来機は国内外の研究機関に15台出荷している。新装置について担当者は「将来的に、さまざまな細胞加工、培養のニーズに応えることができる」と話し、再生医療事業でのビジネス拡大を狙っている。

 澁谷工業は今回、新型バイオ3Dプリンターを使用する前段階となる、細胞を調製する装置と、1千個程度の細胞の塊を製造する装置の2台も合わせて開発した。同社は沖縄県うるま市に精密機械の部品加工などを手掛ける関連会社「沖縄先端加工センター」を設けていることから、再生医療事業に参画している。

北國新聞社

最終更新:6/9(金) 2:04
北國新聞社