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大洗研被ばく 事故現場に黒い塊、プルトニウム炭化か

6/10(土) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

大洗町成田町の日本原子力研究開発機構(原子力機構)大洗研究開発センターで作業員が内部被ばくした事故で、原子力機構は9日、事故後の現場写真を初めて公開した。原因となった核燃料物質の貯蔵容器が置かれた作業台近くの床に、複数の黒い塊が落ちていたことが分かった。原子力機構はこの黒い塊が容器内に入っていたプルトニウムを含む核燃料物質の可能性があるとみている。 (23面に関連記事)

同日県庁で会見した同センターの荒邦章副所長は「粉末は元々は黒色ではない。容器内あったプルトニウムが炭化した可能性は否定できない」と述べ、今後塊を回収して詳しく分析する方針を示した。

また、放射性物質で汚染された作業員5人は事故後、放射性物質が飛散した室内で約3時間待機していたことも分かった。汚染の拡大防止で、出入り口の外側に除染や汚染検査ができるスペースを設ける必要があったためだが、原子力機構担当者は「こうしたスペースの設置を想定しておらず、準備に時間がかかった」と説明した。

7日に原子力機構が事故現場の汚染状況を調べた結果、約80平方メートルの室内のほぼ全域からプルトニウムによる汚染が見つかった。最も汚染レベルの高い場所は貯蔵容器に最も近い地点で1平方センチ当たり55ベクレル。管理基準値上限の千倍を超えていた。

事故は6日午前11時15分ごろ発生。50代の男性職員がステンレス製貯蔵容器のふたを開けたところ、プルトニウムとウランを含む核燃料物質が入るポリエチレン製容器を包んでいたビニール製バッグが破裂。粉末状の核燃料物質が飛び散って作業員が被ばくし、1人の肺から最大2万2千ベクレルの放射性物質が検出された。

事故があった同センター「燃料研究棟」内には同様の貯蔵容器が計80個あり、同センターは2月に保管状態の点検を始め、事故までに31個の点検を終えていた。それまでとは違う種類の核燃料物質が入る容器の点検を始めようとしたところ、1個目で事故が起きた。同じ種類の物はまだ20個残されており、未点検容器は全体で48個ある。荒副所長は残る容器の点検について「違う方法でやらないといけないと考えている」とした。(戸島大樹、高岡健作)

茨城新聞社