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AKB総選挙を10倍楽しむ!ファンが評価するのは「見た目ではなく“生き様”」

6/10(土) 16:56配信

夕刊フジ

 「“偶像としてのアイドル”を“そこに生きているアイドル”に変えたい」。AKB48総合プロデューサー、秋元康氏(59)はかつてAKB48についてこう語った。

 48グループが国民的アイドルと評される人気となった理由の1つはその言葉通り、「等身大のリアリティー」だろう。アイドルの“ひよっこ”としてグループに加入した少女たちがファンからの声援を受けて次第に成長していく姿を見守っていく。そこにファンは醍醐味を感じている。

 ネットニュースなどでは、メンバーの写真1枚だけを見て、あれこれコメントを付ける風潮があるが、それはまさに彼女たちを“点”でしか見ていないと言える。ファンはメンバーを“線”として追い、成長していく“生き様”という物語を楽しんでいるのだ。その成果が明確に示されるイベントこそが年に1度開催される「選抜総選挙」だ。

 6月17日、沖縄県の豊崎海浜公園・豊崎美らSUNビーチを舞台に開票が行われる「AKB48 49thシングル選抜総選挙」。2009年から始まり、今年で9回目を迎える中、指原莉乃(24)、渡辺麻友(23)という2大巨頭が“ラスト総選挙”を宣言しており、かつてない熾烈な戦いが予想される。そんな総選挙の魅力を3回に渡って紹介していく。初回はこのイベントの歴史と名言、そして“総選挙トリビア”に迫ってみたい。 

■序列を明確にすることで見えた切磋琢磨

 AKB48のシングルは全メンバーから20人前後の“選抜メンバー”を秋元氏およびスタッフが決定してきた。だが、その人選が固定化傾向し、「あの子も選抜に入れて欲しい!」というファンの声を受けて始まった、09年の「AKB48 13thシングル選抜総選挙」だった。現在も各劇場の支配人がファンと直接対話し、要望などを聞く48グループならではの発想である。

 総選挙後にリリースされるシングル1枚の参加メンバーを決めるだけとはいえ、グループ内の序列を明確にするという“禁じ手”を用いたわけだが、そこでメンバーは互いを切磋琢磨しあえるライバルだとあらためて認識することができた。またメンバーは投票してくれたファンへの感謝を実感し、自らの“存在理由”を再検討する機会ともなった。メンバーはステージ上でファンへの感謝、夢への情熱をそれぞれの言葉で表現。感情むき出しの言葉は見る者の心を打ってきた。

 「総選挙はファンからの通信簿」とも評されるように、メンバーはこの結果を受けて現在、自分が置かれている状況を再認識する。そしてさらなる成長を促すのだ。経済でも健全な競争があるからこそ市場が活性化するように、メンバーが正々堂々と競い合い、ファンからの直接的な審判を受けることで、グループ自体も活性化。48グループの趨勢を占う場としても機能している。

 ■総選挙をプレイバック!感謝、決意、直訴、愛…総選挙から生まれた名言たち

 08年に発売された「大声ダイヤモンド」がオリコンチャートの週間3位を記録するなど、固定ファンはつかんだが、一般層への浸透はまだまだだった09年。このタイミングで実施されたのが最初の総選挙だ。初期メンバーの浦野一美(31)が初選抜されたほか、現在声優として活躍している佐藤亜美菜(26)が8位に入賞するというドラマもあった。

 特に佐藤の順位はファンにとって衝撃的で、その後も語り継がれるほどの“事件”となった。佐藤は加入前からAKB48劇場に通っていたメンバー屈指の“AKB48愛”の持ち主で、それまでは選抜未経験だった。自分のチーム以外にも公演のアンダー(代役)として数々出演し、AKB48原点である劇場を大切にしてきた“縁の下の力持ち”的な存在だった。そんな彼女の努力をファンが認めて実現したミラクルだった。実際、秋元氏も最初の総選挙について「亜美菜のようなことがあるから面白い」と語っている。

 翌年の第2回総選挙では1位、2位のトップが逆転した。当時“絶対的エース”として位置づけられていた前田敦子(25)が2位となり、「私は1位という器ではないと思います」とステージ上で吐露。エースとしての積年の葛藤を告白した。一方の大島優子(28)は「背中を押してくださいとは言いません…ついてきてください!」という名台詞を残し、“王者の貫禄”を見せつけた。

 第2回の結果を受けてリリースされたシングル「ヘビーローテーション」が大ヒットし、より注目が集まった11年の第3回総選挙。ここで1つの事件が発生した。SKE48の高柳明音(25)が日本武道館の舞台上で秋元氏に「私たちに公演をやらせてください!!」と叫び、ファンの前で自分たちの思いを伝えるという手段に打って出たのだ。当時、高柳が所属していたチームKIIはオリジナル公演の開始が当初の予定より約1年半も遅れていた。メンバーの焦燥を代弁した高柳の思いが届き、その年の10月、新公演がスタートした。

 もちろん順位の方でも大きな見どころがあった。前回の逆転劇から1年、この年、1つ順位を落とし2位となった大島は「『1人何枚も買って本当に総選挙と言えるのか?』…ですが、私たちにとって票数は皆さんの“愛”です」と告白。世間のさまざまな批判に持論を訴え、ファンの投票を“愛”だと肯定した。そして再び1位に返り咲いた前田は涙ながらに「私のことは嫌いでもAKB48は嫌いにならないでください!」と絶叫。エースの重圧をにじませた。

 12年の第4回では卒業を決めていた前田が不参加となり、大島が1位を再び戴冠した。2位には渡辺麻友が前年の5位から浮上。「若い世代が新しい道を切り開いていかないといけない」と“世代交代”の必要性が急務であることを叫んだ。そんな中、5位の篠田麻里子(31)は後輩たちに檄。「潰すつもりで来てください」と活を入れる姿も世間を騒がせた。

 翌13年の総選挙では、指原が初めて1位に輝いた。AKB48からHKT48に移籍した指原は「AKB48を壊しません!」とファンに約束。3人目の“女王”誕生にファンとメディアが沸いた。一方、姉妹グループの躍進も目立った。SKE48の松井珠理奈(20)、松井玲奈(25)に加え、NMB48からは山本彩(23)と渡辺美優紀(23)が選抜入り。新しい時代の到来を予感させた年だった。

 またトピックスとしては、前回のスピーチで後輩たちに気合を入れた篠田が5位にランクインし、スピーチの場で卒業を宣言した。予想外の発言に会場は一瞬騒然となったが、こんなことが起こるのもまたこのイベントの醍醐味。メンバーはこのイベントを1つの節目ととらえているのだ。

 第6回では渡辺麻友が念願の1位に。また山本が初の“神7”入りを果たし、HKT48の宮脇咲良(19)やSKE48の柴田阿弥(24)が初めて選抜メンバーに名を連ねた。この年は16人中、姉妹グループメンバーが7人を占めたほか、乃木坂46メンバーで当時チームBを兼任していた生駒里奈(21)が14位にランクイン。48グループ全体としてのさらなる広がりを感じさせた。

 第7回では指原が女王の座を奪取。2位には“アイドルの鬼神”と高橋みなみ(26)から評される柏木由紀(25)が入った。この年は高橋のラスト総選挙としても注目されたが、結果は自身最高の4位を記録。第3回から言い続けてきた「努力は必ず報われると、私はこの人生をもって証明します」というメッセージを叫び、後輩たちにその思いを伝えた。

 昨年の第8回では指原が史上初の連覇を実現。渡辺麻友は「あの壁はすごく高い。誰も超えられない」とその偉業をたたえた。3位には松井珠理奈が入った。ついに頂上を狙えるところまでたどり着いた彼女は「あと5年は卒業しません」とファンにアピールした。AKB48からは向井地美音(19)、岡田奈々(19)、高橋朱里(19)の10代メンバーが選抜入り。またAKB48の1期生、小嶋陽菜(29)は“にゃんにゃん仮面”として選挙に出馬。16位に食い込み、ステージ上で「やっと卒業します!」という発表を行った。

■いくつ知っている?“総選挙あるある”“総選挙トリビア”

 これまで8回行われてきたAKB48選抜総選挙。ここからは、このイベントのさまざまな法則性やトリビアについて紹介していく。

<5回目から続く法則性 前年よりランクアップして17位に入ったメンバーは翌年必ず上昇する!>

 初回から第3回は21位までが選抜メンバーだったが、4回以降は16位で固定。その年17位となったのは、3回で12位の高城亜樹(25)だった。以降の総選挙で17位となったメンバーは4人いるが、その全員が前年よりランクアップして17位となり、翌年必ず順位を上げ、選抜入りを果たしている。

 第5回で17位に飛び込んだ柴田は第4回では圏外だったが、翌年15位にアップした。第6回の17位は松村香織(27)。彼女も第5回では24位だったが、第7回で13位に順位を上げている。第7回で17位だったのは兒玉遥(20)だ。第6回で21位だった兒玉は第8回で9位にランクを上げている。

 17位は、あと一歩で選抜に入れず涙を呑んだ“悲劇のヒロイン”とも言える順位。この結果がファンの庇護欲を刺激し、翌年のジャンプアップにつながっているようだ。ちなみに前回第8回の17位はAKB48最後の1期生、峯岸みなみ(24)。第7回で19位だった峯岸はこの法則を継続できるのか。注目だ。

<第1回から参加で唯一ランクインしていないメンバーがいる>

 第1回に参加しているメンバーで今年も総選挙に参加したメンバーはAKB48が8人、SKE48で6人いる。その中で一度もランクインの経験がないのが、SKE48の内山命(21)だ。後輩から慕われ、SKE48のソロコンサートでは大好きな「極道の妻たち」風の歌芝居を熱演した内山だが、ついに今年の速報で53位にランクインした。最終結果でも名を残すことができるのか。

<加入から圏外経験なく、毎回順位を上げているメンバーが1人いる>

 グループ加入2年以上で、総選挙で一度も圏外を経験することなく順位を上げているのが宮脇。47位→26位→11位→7位→6位と順調にランクアップし、今年の目標として、指原とのワンツーフィニッシュを掲げている。初年に圏外を一度経験し、以降上昇し続けているメンバーは、岡田奈々(19)や小嶋真子(20)など複数いるのだが、一度も圏外がないというは宮脇のみ。この偉業をキープすることができるのか。

<第1回から“神7”をキープしているのは…>

 第1回目から昨年までの計8回、すべての選抜総選挙で7位以上をキープしている“神”メンバーがいる。それが渡辺麻友だ。初回の総選挙で4位に入ると、以後5位→5位→2位→3位→1位→3位→2位で推移。この数字をみてわかるように、厳密にいえば彼女場合、すべての選挙で5位以上をキープしている。

 そんな彼女も今回の選挙をラストと位置づけ、集大成として大一番に臨む。目標順位は当然1位。“アイドルサイボーグ”まゆゆは有終の美を飾ることができるのか?

<目標順位を「1位」としたメンバーは?>

 今年の選抜総選挙で目標順位に1位を掲げたメンバーは意外と多い。「AKB48総選挙公式ガイドブック2017」(講談社 MOOK)によると、AKB48では渡辺麻友を筆頭に小嶋菜月(22)など5人が1位を目指している。SKE48は松井珠理奈のほか8人、NMB48も内木志(20)ら6人が1位を目標に選挙戦を展開。HKT48は指原と外薗葉月(18)が1位を目指す。NGT48で1位を目標にしたメンバーはいなかったが、発足したばかりのSTU48では、岩田陽菜(14)が堂々と目標1位と宣言した。

 Girls,be ambitious!この中から実際に1位となるメンバーはいるのか?その答えは6月17日に判明する。

最終更新:6/10(土) 16:56
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