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「おかげで復興」「休養を」 県内、両陛下いたわる声

6/10(土) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

天皇陛下退位を実現する特例法が9日、成立した。即位以来、象徴として新時代の皇室の在り方を体現してこられた陛下。膝を折って被災者に寄り添い、戦没者を慰霊して平和を願う姿が人々との距離を縮めた。「祈りの半生」に親近感を抱いた人は多い。県内で接した人、同じ時代を生きた人などからも、共感や感謝の言葉が続いた。

県内では「おかげで東日本大震災から復興できた」「ゆっくりと休養してほしい」と感謝といたわりの声が相次いだ。

天皇・皇后両陛下が結城市を訪れた昨年10月、結城紬(つむぎ)について説明した県本場結城紬織物協同組合の前理事長、野村寛司さん(62)は「結城紬に興味を持っていただき、光栄だった。お気遣いもいただいた。お体に留意され、お2人で穏やかな時間を過ごしていただきたい」と話した。

東日本大震災の翌月、津波で大きな被害を受けた北茨城市の大津漁港で説明した大津漁協の鈴木将之組合長(73)は「行方が分からない漁業者がいると話すと、両陛下は海を見つめ、頭を下げてくださった。漁協役員にも言葉を掛けていただき、おかげで力強く復興できた」と感謝。「ご高齢で大変とは感じていた。(退位後は)ゆっくりしてほしい」と願った。

水戸市平須町、フラワーアレンジメント教室主宰、田口順子さん(60)は「震災や常総市の水害など災害のたび、両陛下が現地を訪れる姿を見てきた。涙を流す住民もいた。感謝でいっぱい」。皇位継承の議論を巡っては「皇室が安定して続く方法を考えてもらいたい」と要望した。

阿見町の予科練平和記念館歴史調査委員、中川龍さん(76)は「ハードスケジュールであるし、ご高齢。終戦から70年が過ぎ、(激戦地などでの)戦没者の慰霊は天皇陛下に一区切りつけていただいた。お疲れさまでしたという気持ち」と感謝した。

行方市の自営業、須田剛さん(50)は「体調のこともあり、お務めが大変だと思っていた。陛下の意向に耳を傾けることは大切であり、皇室が今後も良い形で続くためにも、私たち国民もいろいろと意見を出し合うべき」と話し、さらに国民的議論の必要性を示した。

茨城新聞社