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企業就職へ養護学校の挑戦 高島の新旭に「職業コース」

6/10(土) 7:55配信

産経新聞

 ■知識・技能習得へ授業の質・量拡充

 県立新旭養護学校(高島市新旭町太田)の普通科に今年度、県内で初めて「職業コース」が設置された。職場実習を増やし、実戦的な職業訓練を積む狙い。9日には地元の陶芸工房を訪れ、作業経験や仕事に臨む心構えなどを聞いた。

 「働くために大切な力は何ですか」「仕事の面白さは」。同市マキノ町知内の陶芸工房「祥鳳窯」。同校職業コースの生徒から、陶芸家、北村祥次さん(56)に次々と質問があがった。同コース創設に伴い設けられた「プロフェッショナルズin高島」の初の授業だ。

 北村さんは「私が死んでも作った器は生き続ける。さまざまな巡り合わせが仕事の魅力」などと答え、南蛮焼きの茶碗(ちゃわん)づくりなどを指導。生徒たちはろくろの前で初めて触れる赤土に苦戦しながらも、声をかけあい作業した。

 プロフェッショナルズin高島は、地元企業や個人事業主の職場に出向き、仕事を肌で学ぶ授業。各学期で1回程度開催する。学びの場を増やそうと新たに設けたカリキュラムだ。

 職業コースでは実務作業にこだわる。これまで「作業学習」と呼んでいた園芸・木工・窯業の授業内容も拡充。園芸では花の生産だけでなく、出荷、販売まで手がけることで商品の流通について学ぶ。また、職場実習も計2週間だったのを5週間と大幅に増やす予定だ。

 滋賀労働局のまとめによると、県内のハローワークを通じた平成28年度の障害者就職件数は1168件と過去最多。従業員50人以上の企業に法定雇用率(2%)を義務付ける障害者雇用促進法の効果もあり、雇用状況は好調だ。ただ同校は「法定雇用率以上の受け入れをする企業がどれほどあるかを考えると、就職活動でアピールできる能力をつける必要がある」とする。

 今後、プロフェッショナルズin高島では、サービス業や製造業などでの実務経験も計画している。

 この日参加した2年の西川颯さん(17)は「学校では感じられない生の雰囲気を感じ、仕事の大切さを学んだ。今後もこのような機会にたくさんのことを学んでいきたい」と意気込む。

 同校は「将来の可能性を広げるため、今後も職業コースの生徒たちに限らず、さまざまな支援を行っていきたい」と話している。

最終更新:6/10(土) 7:55
産経新聞